そば屋の親爺は山菜採りが好きで、春になると旬の山の幸を求めて、遠くは信州まで出掛けるんだ。
何回ともなくブログでも紹介してきたが、タケノコ(チチマザサ :通称ネマガリタケ)採りだけは、どうも性に合わないらしい。
竹藪の中を狭苦しく掻き分けて、周りが殆ど見えない世界で重いタケノコを背負いながらの奮闘は苦手だね〜。
悪戦苦闘で採ってきても、皮を剥いて節々の硬い部分を取り除くと、半分は捨てる事になるんだね。
だからこそ価値があるんだよ、って言われればそうなんだろうが、どうも此奴だけは山が呼ばないんだよ。
そんなんで、自分からは殆ど行かないんだ。
でもね、時期になると有り難いことに、いろんな人からのお裾分けでシーズン中には何回となく口には入るんよ。
もう3回ほど頂いたんだ。先日は、お客さんから頂いちゃった。有り難いね、苦労が分かるだけに余計に有り難いよ。
1回目はタケノコご飯に炊いて、2回目はお汁の具にしたり、ニシン味噌で頂いたね。
数日前に頂いたのは、ババが煮物の中に入れて食した。僕は飲んべえだからニシン味噌が好きでね。
身欠きニシンとタケノコを甘味噌で炒めて食すんだが、此奴がまた酒の肴に最高なんだよ。
皮付きのまま火で炙って、味噌で食べるのもいいね、素材の香り、旨味が凝縮されていて、これまたお酒にグーだね。
どっちこっち酒の肴に行き着くね。
此奴は採取時期が長いから、場所によって5月中下旬頃から7月中旬頃まで、山を熟知していれば2ヶ月近くは楽しませてくれるんだよね。 上の写真のタケノコを、皮を剥いて節々の硬い部分は包丁で切り落とす↓
一本物は剥いたタケノコ(ボール左半分)、切ったのは食べられる柔らかい部分。
右上の写真をご覧あれ、これだけの殻が出るんよ。
あれだけ剥いて、たったのこれだけ?半分以上は捨てちゃうんだよ。
採ってきたのに可愛そう。