ジ〜〜、ジ〜〜、ジ〜〜、ジ〜〜、・・・・・・・・・・・・。
風がなく、ムンムンムシムシ、灼熱に照り焼かれた大地からの熱気は熱帯夜となって襲い掛かる。
エアコンの苦手な親爺は、窓の開閉によって自然温度調節で過ごす。
日中に温められた空気は、遅い時間帯に入らないと冷めてこない。
寝返りを打ちながら、しっとりと汗を掻きながらも、いつの間にか睡眠に入っている。
ジ〜〜、ジ〜〜、ジ〜〜、ジ〜〜、・・・・・・・・・・・・。
昨日の早朝は3時ちょっと過ぎ、今朝は4時頃か?
連続で甲高い声でなくニイニイゼミに二朝連続で起こされた。
うるさい奴だ!お陰で睡眠不足じゃよ!もうちょっと寝かせてくれよ!
この年頃になると一度起こされたら、もう寝付かれないよ。
スッキリと目覚めなかった頭は、何かかったるく、面白くない。
そとはまだ薄暗く、街灯の明かりがハッキリと見て取れる時間帯、東側の窓辺の障子が真っ赤に染まった。おお!朝焼けだ!
新聞屋さんすら早すぎる刻、しつこいほどぶっ続けで啼きやがる蝉を憎みつつ、徐に外に出た。
今日も暑くなりそうだな。
坂戸山から八海山の背後が真っ赤に染まっている。刻、未だ3時半。
しかし、日の出前の時間帯は、一瞬にして明けてくる。
僅か10分くらいの時間に朝焼けは消えた。今朝の夜明だ。おいらも漸く明けた。
すっかり明るくなった庭先に「ネジバナ」を見つけた。
夏だなあ〜。螺旋状に咲くピンク色の花をみると、紫陽花とリンクして梅雨の代名詞。
しかし、異常なほど早々と梅雨は切り上がり、なが〜い夏が来た。
ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、止めどなく啼き続ける。
何もしなくても、目眩がするほどの暑さに、厨房の茹で釜の熱気、煮えたぎったフライヤーの油、この上なく心地よい。
この先、どうなるんだろうか?
夏子の親爺は暑さには強いが、なさけなく参っているババは、水ばかり飲んでは疲労を煽る。
間もなく(15日)牧之庵は満9歳、一緒に親爺も、また一つ歳を重ねる。