☆子供等の希望・一大決心
娘夫婦が三十路を契機にマイホームの話が俄に浮上してきた。
建設業で建築関係の仕事に携わる婿どんは、勤め先に不動産業務の関連会社を持つ。
関連物件の情報が優先的に入る境遇を得て、手頃な物件が紹介されたらしい。
婿どんの実家が最近改築して、旧住宅を貰い受ける話も出来ていたようだ。
今は会社の経営するアパートに社内の優遇賃料で入居しているが、住宅ローンを組んで住居を構えるには今が適期、子供が学校に上がる前にと熟慮したようだ。
選択肢は2通り、婿どんの生家でもある古い住宅をもらい受けるか、今紹介された物件を選ぶかだ。
夫婦で相談の末、後者を選択する方向で進んでいるようだ。
生家を貰い受けてそのままの状態で暫く我慢して、頑張って住宅資金を蓄える事も考えたようだが、近い将来は改築が待っている。
国道沿いで土地も狭い、取り壊して立て替える事を考えるとそれなりの費用が掛かってしまう。
ローンを組むには今の年齢が適期と判断し、決断した様だ。
昨日の閉店後に物件を見て欲しいと言われジジ、ババが見学に行ってきた。
以前、婿どんの会社が開発し彼が担当した物件、当初の建設費、住宅内容は詳細に把握できるのだ。
敷地は2区画分の広さがあって、建物は築7年、充分すぎるほどの広さと使い勝手も良さそうで機能的に最高の物件と見た。
何よりも外部が広いことが気に入った。ガレージも2台分のスペース。
庭の好きな僕は勝手に計画図を脳裏に描いていた。夕食は当家で摂り、食後にいっぱいやりながら検討会。
即刻、次のステップを決断した。今年中に入居できれば上々だ。
若い子供等、マイホームという人生の一大事業を決断することで、希望を持って頑張るだろう。
老婆心ながら、「資産を持つって事は大変なんだよ、ローンの他に登記費用、固定資産税、維持管理費、補修費等々、予想外の諸費用が別途に掛かるんだよ」と一言忠告した。
孫も広いお家が気に入ったようで、我が家のごとくはしゃいでいた。
夢が叶う事を祈った。孫の日に・・・・
☆希望を持ち続ける僕の知人
彼も三十路が過ぎた。司法書士を目指して猛勉強中。
家庭の事情で慶応大学を2年で中退、今日まで働きながら弁護士先生を目指して頑張ってきた。
この世界、半端な頭では国家試験に合格しない。
数々の難関があって、1つ合格しても次のステップと選び抜かれたごく一部の秀才人間が挑む世界。
一昨年あたりから数校できた「法科大学院」とかに入ろうと入試に向けて猛勉強中。
基本的には大学卒でなければ受験できないが、同等の能力が認められれば、受験資格が得られるらしい。
彼はそこをクリアした。次は来月に迫る受験だ。
昨日、牧之庵の閉店後に遊びに来た。
ちょっとした気晴らしに。物静かで、柔和な彼の口からは自信が感じられた。
大丈夫だな、直感した。
一途に希望の炎を燃やし続け、幾多の苦難にも挫折せず、これからも目的に向かって邁進する青年を見ると、まだまだ日本も捨てたもんじゃないな、と頼もしくもなる。
絶対大丈夫だ!そして立派な、正義感の強い弁護士先生になってくれることも確信した。
陰ながら大願成就をお祈りしよう。