今朝の事。
昨日の定休日に柵上げたをした畑の一部に、野菜の種子を蒔いた。
辛味大根、おろし大根、葉大根にホーレンソウを蒔いたんだ。
その後、野菜の収穫や流れの掃除をしていたら、9時近くになっていた。
1時間、時間を勘違いしてしまった。やばい!そば打ちの時間が遅くなってしまった。
逸る気持ちは、蕎麦の打ち具合に影響する。ちょっと加水が過ぎてしまった。
打ち直すには時間が足りない。蕎麦屋用語で「ずる玉」と言う。
手打ちそばの手順で、一番重要で最も難しいのが「水まわし」と言われる。
一番最初の手順だが、粉に水を加えて「水まわし」をするのだが、うっかりして水を入れすぎたのだ。
普通は、3〜4回に分けて行うのだが、余裕を持って慎重に加水しないと、柔らかくなってしまうのだ。
特に、2回目以降は、粉が水分を吸収しているので、ちょっとの加減で過水となる。
「練り」ができないほど水を入れすぎればどうにもならないが、多少柔らかすぎたのは、冷蔵庫に入れて、多少に水分を取ればそれなりにはなるんだが、今日は、その時間すらなかったんだね。
「ずる玉」ってのは、文字通り「ずるをする」ことだが、多少柔らかい方が練りも楽だし、伸しも簡単に力いらずで広がってくれる。
だけど、充分な練りこねができていないから、短く切れたり縮れたり、角が立たずに腰折れの歯ごたえのない蕎麦になるんだね。
作業にずるをして打ち上げた玉を「ずる玉」って呼ぶんだね。
ちょっと、やばいなあ〜。気が乗らないままに時間になった。
今日は、月末の木曜日だから、お客さんはそんなじゃないだろう?勝手に良いように促して店を開けた。
こんな時に限って、である。
満席になって、今日打った「ずる玉」が、殆ど出尽くしたんだ。
喜んで良いのやら、気が引けるやらで、納得しないうちに時間となった。
今日が初めてのお客さんは「牧之庵の蕎麦はなんて不味いんだ!」、常連さんは「なんだ!今日のこの蕎麦は?」って、思ったに相違ない。
余計な仕事は、終わってからすべし、今日はつくづく思い知らされた。
気が入らねば、蕎麦にも魂が入らない。