還暦があと数年で来る牧之庵の親爺には、嫁いだ二人の娘に3人の孫がいます。子供は3人。自分の子供らは、みんな女の子に揃えました。孫は、長女には「好花」と言う名前の女の子が一人、二女は「愛斗−まなと」「優侑−ゆう」二人の男の子がいます。三女の末娘は、まだ独身で市内にお勤めです。長女もお勤めです。二女は平日は優侑という、この6月で1歳になる孫を連れて牧之庵を手伝ってくれています。時々聞こえる赤ん坊の泣き声は、この孫なのです。昨日は、4歳になる「愛斗」の保育園の遠足でした。親が同伴でしたので「優侑」は牧之庵であずかったのです。一般的に金曜日は余り忙しくないので、あずかってはみたものの裏方は大変。交代でおんぶしたり、だっこしたり。どういう訳かこの「優侑」が昨日はこの爺にすかりなついて後追いするんです。いやはや、孫親の落としどころ、目尻も下がってすっかりご満悦。「好花」は3歳、やっぱり女の子、おしゃまで何でもしゃべれるんです。好き嫌いが激しくて、食が細く、なかなか太れない。代わって愛斗は正反対、食べる、食べる、兎に角、動き回るからいつも汗をかいています。今、ウルトラマンになりきって、爺はいつも攻撃対象。二人とも、赤ん坊の時から牧之庵でお客さんと接して来たから、人なつっこくて、人見知りを知りません。孫達は夕方になると保育園から来て、いつも牧之庵で喧嘩しているんです。夕方お越しのお客さんにはいつも済みません。賑やかで。6月に1歳になる優侑は、伝い歩きができるようになって、この頃は階段も這い上がりしますので、目が離せなくなりました。婆も爺も蕎麦屋を始めて一番の楽しみは、孫達をいつも近くで見ていられることでしょう。金もなく、貧乏な蕎麦屋だけれど、初老のこの時期が、人生の中で一番充実している時かも知れません。多くは望みません、せめて1日でも長く、好きで始めた蕎麦屋で孫達の成長を見守りながら生きていきたいです。
ぼく優侑ちゃんです。もちこしで1ちゃいでちゅ。ママと牧之庵で手伝ってまちゅ。
私は好花です。3歳です。毎日元気で保育園に行ってます。忙しいときはママとお店でお手伝いします。また来てね。
ぼくは愛斗。4歳です。ウルトラマンがお友達です。牧之庵のお店の前です。保育園から帰ったとこです。お客さんの鳥羽さんが大好きです。時々、ばばのご飯のお手伝いをします。料理は得意です。じじのそば打ちもお手伝いします。