数日前に、家内のお姉さん夫婦が田舎の帰りに立ち寄られた。
いつもお世話になりっぱなし、寄られても蕎麦屋を開業してからは、時間の制約があって何のおもてなしも出来ないでいる。
お客さんには申し訳なかったが、その日のお昼は、お客さんが大勢来ていただいて、夜の営業分の材料はことごとく底を突いてしまった。
蕎麦だけなら間に合うが、これ程に材料が底を突くと、限定営業しかできない状態だった。
やむなく臨時休業にさせていただくことにした。
その夜は外食ということになって、家内が無理は承知で「欅苑」に連絡を取ったようだ。
運良く予約が取れたらしい。実はこの「欅苑」は僕にとっては縁念つきのお店なのだ。
何回か以前のブログで紹介しましたが、退職したのが5年前の7月15日。
家内は退職祝い(慰労かな?)に予約をしておいたんです。
退職して一週間後の7月22日のことです。
「シャワーで汗を流して、早めに欅苑に行こうね」と家内に言われていたんですが・・・・・・・。
そうです、あの転落事故。
あれからもう5年、ようやく念願が叶いました。
その昔は、この辺一帯を束ねる大庄屋
推定樹齢1500年の大けやき
「大家の大けやきと」呼ばれている。「大家」とは南雲家の屋号だそうです。
道沿いの車寄せから100メートルも歩いて辿り着く。堂々とした茅葺き屋根の南雲家「欅苑」の正面。
右奥に悠然と姿を見せた大家の大けやきから往時を偲ばせる。
6時からの予約が、30分遅れてしまった。
とてつもなく広い玄関と庭、シャキシャキとした気品のあるおかみさんに案内され、歴史を感じながらくねくね曲がって客間に案内された。
初めてなのは僕だけ、みんなは3.4回はお邪魔しているとか。
程良く冷やされた室内が心地よい。
なんと言っても広々としたこの空間。居るだけで和み、癒される。
おっ着き(到着して間もなく)に抹茶が供される。
さり気なく置かれた一枝の添え木、朱色の漆器皿に甘いお菓子が抹茶と一緒に供された。
飲み物は何にしようか?。
僕は日本酒、他はビールを注文。
県内の銘酒が置かれるが、僕は好みで「〆張鶴」の4合瓶をオーダー。
ちなみにビールはヱビスビールが置かれている。
最初に出された一番膳の4品。お料理は僕の紹介では失礼なので、ピンぼけの写真でご想像を・・・・・。
箸を付けてしまいましたが
焼き魚、例年だと鮎なんだそうだけど、今年は不漁で未だ届かないんだそうです。これは岩魚です。
この後、ご飯(菜飯?)が出されました。美味しいご飯です!
一品、一品が心のこもった手料理、手抜きは一品たりともありません。
旬の食材を上手に生かした和の心、昔の古い器と調和して、暫し穏やかで幸せの時間をいただきました。
こうして、縁念の「欅苑」から期待以上の満喫感をいただきました。折を見て、また伺うつもりです。 合掌