昨日の水曜日、牧之庵の定休日だったが、何時も御贔屓いただく、隣町の温泉宿から団体さんの予約伺いを頂いた。
毎回、20人前後のお客さんを宿のマイクロバスでお連れいただいている。
勿論、特別な用事がないのでお受けした。暖簾は出さず、定休日の看板を掲げての臨時営業。
終了後、延ばし延ばしにしていた運転免許証の更新に行く。
二女が用事があるというので、ババが次男坊を預かった。何でも、6時頃までの約束らしい。
僕の用事に一緒について行くと言う。仕方がないので、子守がてらの用事足しだ。
免許の更新を終え、今度は社会保険事務所で二日前に還暦を迎えた「年金受給」の申請手続き。
書類不備は承知で取りあえずは出向いた。
一応の説明を聞いてから、不備の書類は再度出向くことで終了。
さて、自宅に帰るとするか?しかし、ババがまだ自宅には帰りたくないと言う。
茶前(朝食前)に仕残した、田圃の畦畔の草刈りがあるから、帰ろうと促すが、6時過ぎまでドライブしようと執拗に帰ろうとしない?
何なんだよ?おかしいな?と思ったが従うことにして、走って20分ほどの距離にある「骨董屋」で時間を費やした。
ババは、こそこそと携帯で電話する。「もう良いの?」とかどうとか?孫が「ママんとこに行く」と、愚図つきはじめた。そろっと帰れば6時を回る。遠回りで帰路についた。
帰宅したら、お寿司屋さんが出前にきていた。
三女が車から、何やら盛り込み皿を抱えて入っていく最中だった。いきなりババが僕を制した。
「あのねお父さん、実は子供等がお父さんの還暦祝いと、牧之庵の5周年記念祝いをお父さんに内緒で準備しているの。
だから、気づかない振りをしてチビらをお風呂にいれてくれない。」何だ、そう言うことだったのか。
それでババが僕を無理矢理引き留めたのか。
会場は牧之庵の客間、戸を閉めっぱなしで準備しているようだったが、知らぬ振りをして、風呂に直行。
孫等を風呂に入れてパジャマを着ようかな、としていたらババがきて「お父さん、これを着て」と、作務衣を差し出した。
「準備ができました!お父さん入場」大きな声で二女が促す。
客間に入ると何とまあ〜!はたやビックリ!周りは紙テープや造花で飾られ、孫達と一緒のジジ、ババの手製の顔面がある。
「お父さん還暦おめでとう」「祝 牧之庵五周年」と書かれた垂れ幕が・・・・・・。
二女の進行で手作りのセレモニーが始まったのだ。
先ずは、赤い頭巾にチャンチャンコを着せられ、赤い座布団に座りみんなで記念写真、ビデオがセットされている。
孫達が、ジジババに花束をくれる。そしてプレゼント、欲しかった最新の「デジカメ」だ。
手分けして作ったと言う、手製のアルバムには、これまでの孫達の生い立ち、牧之庵の足跡が、孫と一緒に纏められている。
ババとジジにそれぞれ違うアルバムが送られた。随分と手間を掛けてセンス良く構成されている。
涙が出るほど嬉しかった。
前から周到に準備していたようで、何よりも手作りが嬉しい、ババも挨拶で一言「良い子供達をもって幸せです」と、こんな還暦祝いをしてもらって、「幸せ」という言葉を、しみじみ感じ取った。
そして今日は、この飾り付けをそのままにして牧之庵を営業した。
関係ないお客さんには「何じゃこりゃ」と思われるかも?でも、勿体なくて外せなかった。
自宅で蕎麦屋をしている生活感、温もりを、ほんのちょっぴりお裾分け?
話は変わり、今回の「中越沖地震」で被災された方々のご冥福と、一日も早い復興を御祈念申し上げます。