☆鮭を追いかける人
文化の日は、過去のデーターから晴れの日が多いという。だが、2000年ころからは、異常気象の影響もあってか、晴れと雨の日が半々の状態が続いているという。
幸いにも、昨日は晴れてくれて有り難かった。
南魚沼を訪れてくださったお客様には、さぞやピークの紅葉を充分に満喫いただけたんじゃないかと安堵する。
10月から始まった「しおざわ新米キャンペーン(南魚沼新米コシヒカリ街道)」も、昨日の最終イベント(コメリンピック07(しおざわ産業まつり)で幕を閉じた。
秋も終盤を迎え、陽射しはすっかり弱まり、日中の気温も上がらない。
4時を過ぎれば、晩々として薄暗くなってくる。
晩秋の便り、鮭が登って来た様だ。村の「鮭穫り名人」が、仕事はそっち除けで追い回す。
鮭になるのも大変だ!やっとの思いで此所まで辿り着いたのに、その先々で宿敵が待ち受ける。
海から登ってきて、途中の「ヤナ場」や、数々の障害物を潜り抜けて百数十キロ、へたへたに疲れ切って、身は窶れ傷だらけ、一息着く間もなく「鮭穫り名人」の飯食だ。
考えれば可愛そうな奴だが、これとて宿命か?例え生き延びたとしても、所詮僅かの命、死と引き替えの最後の旅路。
その「鮭穫り名人」だが、昨日一日だけで、5.6匹も穫ったそうだ。
雌鮭1匹と、イクラのお裾分けが舞い込んだ。
腹を開けたら、僅かの卵を抱えていた。窶れ果てた雌鮭は、喰ってうまいわけもなし、三枚におろして味噌に漬けた。
これもまた、昔からの「風物詩」、「鮭穫り名人」も数える程しか見かけない。
こんな光景を垣間見る時期まで来てしまっていた。
☆村の共同作業があって
今朝は8時から、年一度恒例の共同作業があった。
用排水溝の土砂掃除、藻や川草の除去、神社や公民館の冬囲い、遊具の取り外し等に半日掛けて村中の人が出て作業を行う。
通常、牧之庵の開店時間までには終了するが、その後で公民館で慰労がある。僕はこの商売を始めてこの方、失礼させて貰っている。
流れ来る水は貴重な生活資源。夏場は田圃の用水や養魚池に利用され、これから冬に向かっては、大切な消雪、防火用水となる。
牧之庵の家の周りには、池や小川で水が流れているが、これとて冬の消雪が主要の目的なのだ。
屋根に降り積もった雪が、自然落下で池に滑り落ち、水で消す仕組みになっている。
道路や屋敷周辺は、今でこそ、消雪施設があって、地下水を利用したり機械で融雪除雪出来るようになったが、その昔は大変な事だったのだ。
雪降り前の暫しの休日、村人は集ってその水を守っている。
ここにも、雪国ならではの深まった秋の光景、こんな当たり前の光景の中からも冬の足音が迫り来る。