ここ数日は、梅雨らしい日々が続くね。一昨日なんか、もうどしゃ降り、バケツをひっくり返した様だったよ。
駐車場なんか、排水が間に合わずに池の様。用水路の水が一滴も無くなった。
そう、瞬間降雨量が一定量をオーバーすると、自動的に取水口の止水扉(転倒堰って呼ぶんだけど)が倒れて、洪水を防ぐんだね。
昨日は定休日。
天気回りもあんまり良くなかったから、たまには家でのんびりする事にしたんよ。
休み日の殆どは、畑や田圃、庭の作業に費やしているか、何処かに出歩いているから、のんびりってのが少ないんだよね。
そんなんで、お昼は、何処かに食べに行こうって、前日から決めていて、あるお店に予約してあったんよ。
僕等は、食べ物商売だから、定休日以外お昼の外食なんかできないし、平日の夕食だって店が終えると9時頃だから、出歩くのが億劫になっちゃうんだよ。
定休日の外食だって、殆ど地元に居ないから、出先で食べちゃうんだね。
そんなんで、昨日のお昼は、娘二人を誘って一度は行ってみたかった「オーベルジュ・アンドラ・モンターニュ」へ、牧之庵からは車で15分足らずのお店なんだ。
到着すると同時に雨が降って来て、慌ててお店に駆け込んだね。
入るなり「俺たち雨を持って来ちゃった」って駆け込んだから、奥さんが笑って出迎えてくださった。
ホント言うと、親爺には、こういう処はあんまり似合わないんだけど、ババや娘はどうしても行きたいお店だったんだよ。
もうズーッと以前に、一度予約入れようと電話したんだが、お休みの日だったんだね。
このお店のご夫婦も、よう牧之庵に来てくださったり、お客さんを御紹介いただいているんよ。
牧之庵でのお客さんとの応対は、ババがしてるから、僕自身は初顔合わせ、何度かホームページ上ではお顔も拝見してるんで、概ね想像はできたんだが、一目お会いして、想像を越えた、ご夫婦の柔和な暖かい人間性を直感した。
僕のような音痴な人間が、店の看板であるフランス料理や、店自慢のワインについてコメントする資格は全くない。
しかし、住む世界は全く違うが、人は人、料理も、接客も人がする。
ド素人でも、音痴でも、「美味いものは旨いのだ」よ。
豊かな感性が生み出す創作の世界と、洗練された多彩な技、憎いほどに気配りされたもてなしの心、至福の空間、音痴人間もスーと入り込める「自称−熊さん、熊シェフの世界」。
その熊さんが、いろいろ雑談をしながら何かをメモってる?
書き終えて奥さんが、メニュー立に添えてテーブルに、今日のメニューが即席で描かれていたんだ。
背景には対面の風景が描かれている。たまげたない!スケッチもプロ級だ。
そして席札、ブルーのハイヒールにも、熊さんのお手書き。
そっと添えられた「外山康雄・野の花館」、外山先生の絵が一枚。ちなみに、7月9日・10日/山吹升痲(やまぶきしょうま)がコピーされた。
その日お出での、お客さんに合わせて、その日付けにあわせ、さり気なく置かれるんだろうな。
随所随所に、ホンマモンのオーベルジュが其処にある。
料理の内容は僕などが評するに値しない。余りにも失礼だから写真は控えたよ。
前後の戯言でご想像あれ。想像以上には間違いなし、これだけは、素人ながらお薦めできる。自信を持ってね。
ところで蕎麦屋の不作法親爺、失礼承知で日本酒を所望、仕方がないよ、ワインも、まりっきしのド音痴なんだからさ〜。
ババはワインを頂いた。熊さん困ったみたい?地下から探してきたのか?三種類の日本酒を持ってきて下されたんよ。
ああ良かった!マナーも何もあったもんじゃない、ま〜呆れたわいって感じじゃろうて。
でもね、熊さん、嫌な顔ひとつせんと、変わらぬ笑顔で説明してくんたがだて。
まあ〜、こういう珍客も希にはあるってこんで、勘弁してくんだっしゃい。
スキーが高じての?田舎暮らし、お隣の農家のお婆ちゃんが作った野菜、好きな山歩きで採った山菜、能生(越後の海辺の漁業町)からの魚、自らが吟味して取り寄せる、産地直送の各種食材。
熊さんの手に掛かれば、エ!、あ!、なに!の世界、熊さんとは、およそ似付かぬ、ひげぼうぼうの人好きおじさん、魔法の腕を持つ超一流シェフ、あま〜い、優しい声でお客さんをもてなす奥さん。
ホントに至福のお宿、癒しの場所が此所にありだ。
不作法の蕎麦屋の親爺だども、感性は豊かだぞ、見る目はあるんじゃい。
料理はひげ親爺の熊さんページをご覧なされよ。ほんじゃま、書き捨てごめん。じゃが、ホンマじゃ!
☆熊さんの至福のお宿 オーベルジュ・アンドラ・モンターニュ
URL http://www.andra.jp