僕の親爺が健在だった頃(平成3年に死亡)から、毎年一度たりとも休み無く、ず〜っと送り届く野菜や花の種子、中越地域を代表する老舗の酒造会社からの贈り物だが、親爺が亡くなった後も、何年か親爺の名前で届いていたんだね。
ある年、親爺が亡くなった旨を連絡して、僕の名前に変えて貰ったんだ。以来、十数年間、僕の名前で種子が届くんだ。
種子と一緒に、三つ折りの冊子が送られてきて、毎年楽しみにしているんだね。
去年は、三つ葉とハーブ、今年は、野菜のオクラと、花のベチュニアの種子だったんよ。蒔き時期が遅れて、開花時期が遅くなったが、ベチュニアは今が花盛り、数種類の品種が入り混じって、牧之庵の玄関先でお客様をお出迎えしてくれるんだ。
有り難いね〜。
その小冊子には「酒蔵の自然」と題し、山野草が紹介されているんだね。
野草シリーズと副題が付けられ、ちなみに手元にあるやつには、19の連番が記されているんだ。そう、この冊子は19年目って事だよ。
記憶が定かではないが、種子はその前からっだから、もう、数十年間って事になるね。
今でこそ、地球環境がどうのとか、自然保護がどうとか言われているけれど、この酒造会社では、既に何十年も以前から、環境保全型農業の必要性に着目し、荒廃する棚田を保全すべき米作りを実践しているんだよ。
「水と緑の会」という財団法人を立ち上げ、自然環境の保全活動を助成し自ら活動しているんだね。ホントにビックリするよ!会社の宣伝目的だけじゃ、こう長く、ここまで続けられないね。同じ地域に住む者として、尊敬し感謝だよ。
こんな地域に、佐渡のトキの分飼ができないもんかね〜?謙遜して言うんじゃないが、以来僕は、愛飲してるんだ。
でもね〜、良いところで生まれた酒は、やっぱ人気があってね、評判の銘柄は普通じゃお目に掛かれないんよ。
この酒蔵の敷地内に、面白いお店があってね。そう、蕎麦屋もあるんだよ。僕が、こんな商売する前から、もう何度もお邪魔したね。
一帯にロマンがあって、物語があるんだね。そう、会社から発散する自然のエネルギーだね〜。