昨日は水曜日、牧之庵の定休日だが祝日と重なった時は営業することになっている。お彼岸の中日とあって、それまでのダラダラ降りの雪は、ようやく諦めて一変して良い天気になった。例年、彼岸は客足が鈍る。地方のお客さんは疎らで、地元は彼岸参りでそれどころではない。だから最初から期待もしていないし材料の準備もそこそこに控えることにしている。特別の事がない限り概ね予想は的中するもんだ。まして春分の日は牧之庵の定休日、知ってる人はわざわざ来られないし、定休日が「祝日に重なった場合は営業」すること自体が浸透していないんじゃないかな?年間、そんなにあるわけじゃなし。
彼岸中は、牧之庵も毎日ご先祖様に何らかのお供えをする。そうはいっても、そば屋の営業時間帯だから、朝は普通の炊きたての御飯、お昼と夜は「そば」か「うどん」を交互に組み合わせをかえてお供えすることが多い。何回かは五目御飯をしたり、稲荷すし、スーパーのおはぎや団子だったりする。
昔は、ご近所や親戚間で何かを作ってお重に詰めて持ち歩いたが、最近の忙しいご時世になってからは、スーパーから買ってきた果物やお菓子類等に線香とローソクを添えてお参りするのが慣例になった。だから昔のお彼岸中は、常にあちこちからいただいた「おはぎ」「五目御飯」「稲荷ずし」等が食卓に出され、様々な味が楽しめたが、それも最初のうち、そう続けて出されても飽きてしまったものだ。
そば屋を開業してから、ごく身近な親戚には、自分で打ったそばを汁付きで持って行く事にしている。仏様参りは、近所は祖母の担当、遠い所はババの担当だ。僕が直接お参りに行くのは、本家と初彼岸(新仏)を迎える親戚や親しかった知人友人関係のみ。ちなみに今日は、閉店後に本家にそばとうどんを持って彼岸参りにいく。
本家は隣村にある。旧家でその昔は庄屋だったので、母屋は平屋で途轍もなく広い。牧之庵の客間の倍の広さはあろうか?茶の間と座敷奥座敷の間に六尺の「乗り物通し」と呼ばれる畳敷きの廊下がある。旧家の豪農(商)の館に設けられた「籠を乗り入れる廊下」だ。
そんなわけで、僕の好きな古い物がいっぱいある。掛軸、陶器類等々の骨董品、行くたびに拝見させて貰うのも楽しみで自分でお参りに行くのかも?今日は価値のありそうな「香炉」と「お香入れ」の二セットもの。50㎝もある青磁の壺、今人気の「お宝鑑定」に出したいような逸品だ!床には、初めて見る掛け軸が掛かっていた。
今度、「虫干し」を口実に牧之庵に借りてきて暫し目の保養に・・・・・・・・
はてさて?これで冬の奴らも最後のあがきで納得したようだ。今年の冬は、奴らにしたらメンツが無し。桜の開花予報を聞いて慌てたようだ?遅まきながらも辛うじて春先の雪で締めた様だ。今日は雨、それにしろ迷惑な雪だった。桜の開花予想が誤報だったことも知らずに。