牧之庵の縁側の外に小川がある。
水の中には玉砂利が敷かれていて、一見すると水が綺麗に見えるが、夕方になると、知らず知らずに土が堆積する。
特に、夕立後は土砂が流れ込み、茶褐色に汚れてくるため、ほとんど毎日流れを掃除するのが日課になっている。
今日も水道のホースをいっぱいに延ばして流れの沈殿した土の水洗い。
ジャーと放水する音に、誘われるように二匹の「オニヤンマ」が、行ったり来たりする。
黄色と黒の虎模様、ギョロッとした目玉は愛嬌者で、グロテスクだ。
行ったり来たり、水面に尾っぽを垂直に立てて、チョキン、チョキンと水面を突くように産卵する。
どうも、水の音が好きなようだ?
この、お盆休み中に、家族と一緒に牧之庵に来られて、その「オニヤンマ」を庭先で捕まえたチビッコがいた。
得意気に「ほら!オニヤンマを捕まえたんだよ!」そう簡単には、捕まらないんだが、大したもんだ。
こいつは、なかなか鋭いクチバシを持っていて、噛まれると痛い。
都会育ちのチビッコだったが、親御さんの田舎が此方なのか?、
「オニヤンマ」と咄嗟に名前が出てくるとは凄い、そいつを捕まえちゃうんだから驚きだ!
遅い盆休みのお客さんなのか、今日当たりも田舎に滞在のお客さんが結構おられるようだ。
今時分は、夏休み中の教師のご家族が多いようだ。
察するに、このチビッコもそんなところかも?
毎年、牧之庵の土蔵の正面入り口を、ふさぐように零れ種で「朝顔」が育つ。
この時期は、いっぱいの花を付けるのだが、今年の夏は、暑すぎたのか異常なほど成長が遅れている。
しっかりと花を付けるまでに成育できるのかは不安だが、兎に角、この暑さに負けじと頑張っている。
正面入り口を朝顔に乗っ取られて、人間様は脇の狭いドアからの出入りだ。
「朝顔に つるべ取られて もらい水」なんて詠んだ歌人もいたっけ?
お盆明けの南魚沼、昨日までの猛暑とは違って、随分と気温が下がった。
そんな初秋を知らせるかの様に「チリリリリッ、チリリリリッ」「リッ、リッ、リッ、リッ」コオロギの声、キリギリスの声?秋虫が秋の訪れを告げる夜。
随所で史上最高の気温を観測した今年のお盆、車で走ればガソリンも高値、熱中症で高温となって多くの犠牲者が出た。
お盆休暇も熱疲労、北海道の猛暑にはびっくりだ!
猛暑でチョコレートまでも連鎖疲労?些か、牧之庵の親爺もこの暑さにはバテ気味だ。
こういうときは、甘味をつまんで「白いチョコレート」でも食べ・・・・・・・