未曾有の猛暑に、盆中の生け花も人間様同様に大変だった。
特に、外玄関の木桶に生けられる花々にとっては最悪のお盆。
連日の35℃を超える蒸し暑さは、木桶の中の水をも熱し、焼け焦がす様な灼熱の太陽を直接受ける。
それでも、朝、昼、晩と三回の水を入れ替えるのだが、あの暑さでは、焼け石に水だ。
ババは、比較的暑さには強く、日持ちする材料を吟味して来る様だが、何しろ気温が上回る。
お盆が過ぎて、今日の牧之庵の花は、同一色の「アスター」が生けられた。
昔から、好んで鑑賞用、切花用に栽培されてきたが、最近は品種改良が加えられ、色、形、大きさ等、多種多様の花々が育てられている。
この辺では、別名「カリカリ花」と呼んでいる。
花がカリカリとして、花びらが混み合って硬い感じの花だからだろうか?
外玄関の木桶に生ける
これからの季節、秋に入って、暫し紅葉の時期まで菊類が主役となる。
中央に「百日草」、「菊」と「アスター」、縁取りに赤紫の「ミソハギ」が見える。
暑さも一段落、木桶の花も生気を取り戻したようだ。
よく見ると「吾亦紅(ワレモコウ)」も見える。
ミソハギ(ボンバナ)、禊萩(盆花)と漢字で書くが、地方によっては「ショウリョウバナ(精霊花)」と呼ばれているらしい。
この辺では、お盆の時期が近づくと花が咲き、仏前に供えるところから「盆花」と呼ぶ。
禊萩と呼ぶのは、花穂に水を付けて供物に水を掛けた仏事の風習から、禊ぎ(みそぎ)に似ている事と、マメ科の萩に似ているので「禊萩」と名前が付けられたとも言われるそうだ。
何れにしろ、全国いたるところで「盆花」、「精霊花」と呼ばれているようだから、仏前に供えるところは共通しているようだ。総称「仏花」とでも呼んでおこう。
10時過ぎ頃から夕立が来た。
もの凄く雨足が早く、超特急でやって来た。
通り雨の様で暫くしたら止んだ。
あんなにフルスピードで降り出すと、洗濯物を取り込む余裕もなし、中にいたお客さんは知らずの出来事だったらしく「あれ?雨が降ったみたい?」だってさ、それ程、一瞬の出来事だった。