奇遇だね〜、まか不思議?牧之庵の客間の端に古い柱時計が掛かっている。
昔からあった古い柱時計だが、数十年前から動かなくなって、納屋に放置されてあったのを、牧之庵の開業時に持ち出して装飾として掛けておいた。
素人ながらに弄ってみたんだが、どうにも動かなかった。
ところが、昨夜釣るし金具が抜け落ちて、この古時計が落ちてしまったのだ。
「ボーン、ボーン、ボーン」落ちたショックで刻を告げた?
「あれ?落ちたのか?なんで落ちたんだろう?」、そう思いながら抜け落ちた留め金具を新しく付け替えて再び元の位置に掛けた。
試しにゼンマイを巻いてみた。
今までは、最高に巻かった状態で巻けなかったのだったが、どうした訳か巻けるではないか?
振り子を動かしてみた。「チクタク、チクタク」動いてる!
長針を指で動かしてみた。「ボーン、ボーン、ボーン」鐘を打つ。どうせ直ぐに止まっちゃうんだろうな。
10分経っても止まらない?30分経っても動いてる?
「何じゃこりゃ!とまらんがだっぺかな?」、暫くして「ボーン、ボーン、ボーン・・・・・・・・」鐘を打つ、11時の時報だった。
今朝起きて、真っ先に時計を見た。動いてる!時間があってる!
ということは、あれから止まらず動き続いていたって事だ!
イヤハヤビックリ仰天、咄嗟のショックで何十年も動かなかった柱時計が眠りから覚めた。世にも不思議な出来事だ。
そして、今日一日、「チックタク、チックタク、ボーン、ボーン、ボーン」、止まらず動いて刻を打つ。
常連のお客さんがビックリして、「あれ?時計が動いてる!」。
そりゃそうだ、開店以来動いたことがないんだからね。
ビックリしたのは、親爺の方だ・・・・・・・・・・。
常日頃、いかれてしまった機械等を意味なく叩きつけることがある「なんだ、こんなポンコツ」てな具合に、それって偶然が重なると効果があるかもね?
最も、直るのも直らないほどに叩きつけたらいかんがね。
でも、動いてる方がいいにきまってる。音が大きいから刻を打つと可成り注目。
牧之庵に来たら、びっくりしねでくんねかない。