昨夜の閉店時間に近づいた頃、電話が鳴った。
三女が受話器を取ったらしい。秋田の友人から電話があった事を知らされた。
何でも、今夜10時からNHKで映るから見てくれって事のようだ。
この友人とは、以前にも何回か御紹介(06'9.1 07'3.17)したが、秋田県の「大潟村あきたこまち生産者協会」の代表取締役社長、涌井徹のこと。
☆大潟村あきたこまち生産者協会 http://www.akitakomachi.co.jp/
新聞でテレビ番組欄を見たら「NHKスペシャル/あなたは日本の米を食べ続けたいですか?▽消費も農家も激減・産地の危機」とのタイトルで確認できた。
番組紹介の中で、記憶に残っている範囲で断片的に拾って見たい。
今日の新聞紙上でも米価の下落が報じられていたが、要旨は「日本は米を主食として守るべきか?
それとも海外に依存して輸入に委ねるべきか?」の選択を問うていた。
自給率が40%を割り込んだ日本の食糧事情、裏腹に中国では、日本への市場参入に備えて、独自に開発された「コシヒカリ」を、アメリカのある州では「あきたこまち」が大量生産されているという。
生産コストは日本の1/3、自由化ともなれば太刀打ちできない。
秋田県の美郷村では、農村農業の存続を危惧して、集落営農(新農政施策)の取り組みを模索しているが、これまでの暮らしを根底から覆す大規模化の方向性は、下落する米価の狭間と台所事情等で展望が開けない様だ。
米は主食から野菜の一つと捉えるべきだ。
いや、工業的発想を農業に当てはめるのは極めて危険だと、両者相反する有識者の弁。
さて、肝心の「大潟村」だが、40年以上前から、国策として日本農業のモデルケースとしてやって来た。
入植者一軒当たり15haの農地が割り当てられた。しかし、かつてない厳しい現実に直面しているという。
国が買い取っていた米も、自主流通が始まり、米価は下落の一途、収入は減っても経費は変わらず。
現在の大潟村の一割の農家は、経営の行き詰まりに苦しんでいる様だ。
ある農民は、「モデル農村がやっていけないとなると米作農家、日本農業は破綻する」と嘆く。
涌井君が言う「農業は悩業、悩ミソで考える仕事」だと。
彼は現在53haの田圃を持ち、「大潟村あきたこまち生産者協会」の代表取締役社長である。
200軒の契約農家から、九千トンの「あきたこまち」を農協よりも高値で買い取っている。
しかし、米価の下落という厳しい現実は、あくまでも強気の彼の思惑から変化の兆しが見え始めた。
会社の売り上げに陰りが見えてきた。
安い米の市場への出回りは、30万件の顧客から5万件までに減少させられたようだ。
そして番組は、「高齢者と後継者不足に加え、米価の下落。国際競争力をつけさせるという新農政だが、そこには日本独自の土地条件が絡む、米であっても海外に委ねてもいいのか?
今日本は、生産者、消費者を問わず、国民にその選択が問われている」と結んでいた。
牧之庵の親爺も農家の端くれ、農家であれば誰しもが「日本人の主食の米は自分たちで守れ!国是だ!」と言うだろう。
クルクル変わる「猫の目農政」、かつてあれこれと新農政施策とやらを打ち出してきたが、満足に成功されたためしなしだ。
挙げ句の果ては、後継者不足だ!これとて農政が誘導した悪しき産物だ。
膨大な補助金を垂れ流しに費やしたと、一部の机上者は罵るが、要は基本的なベースがぶれているからだろう。
最低限、主食たる米は自分等で守る。それを核心にして考えるべきだと思うのだが。
それにしろ、いい企画の番組だったと思う。
その問いかけを真剣に考えなければ、主食の米でさえも、石油と同じ轍を踏む。
米は工業製品とは違うんだ、自然の産物、恒久的に口に入る物じゃなし、人様が何時でも安価で定期的に供給してくださるとでも、まさか本気で考えてるんじゃ無かろうが?
数年前の不凶時でのあの醜態、まさかお忘れでもあるまいに?
こんな事していると海外から押し寄せる前に自滅しちゃうのも時間の問題だよね。
年金問題と同じで、責任がないってことかいな?
それじゃ農家はね、自家消費米だけ作っていましょうか?後の食い扶持は、何とかするさ。
アメリカさんでも、中国さんからでも安い米買ってでも食べなさればいい。
米が無くても生きては生ける?そうそうパン食もいいね?
デモね、小麦もバイオなんとか言って燃料に廻っちゃうらしいから、物も価格も何ら補償は無いんだよね?
米だって全く同じこと。
ほんとに言いたいことは、米も小麦やトウモロコシ化しちゃうんじゃないかと心配するだけのこと。
何時の世も「生かさず殺さずの百姓」・・・・。でもね、今の百姓、それほどポンじゃないんだぜ。
またまた、書き捨てご免!