我が地方では「スギヒラタケ」というキノコの事を「スギモタセ」と呼ぶ。
時期が来て杉林に行くと、比較的簡単に採れるので、食用キノコの仲間では重宝で、生まれてこの方ずっと食べ続けてきた。
ところが、2004年秋に突然60人もの発症者が出て、17人が死亡したという。
確実な原因は明らかにされていないようだが、特に「腎機能障害」を持った高齢者に発症率が集中したそうだ。
突然の異変なのか、気象、雨の影響かなのかは、特定できないでいるようだが、突発的な出来事からして、異変には相違ないんだろう?
命に関わる事、原因が不明でも食べない方がいい。
でも、我が家は依然として食べ続けている。発症事例があったその年も、それ以降も、昨日も、今日も。
特に今年は、このキノコは豊作でいっぱい出ている。
(とは言っても、奨励しているんじゃないですよ!絶対に真似しないでくださいよ!お宅んちのキノコはやばいんかもしれないから)。
僕が取ってくるお山は異変が起きてないだけ、体を張って「毒味」をしてから食べさせるんだからね?
それに、体質もあるらしいから?幸か不幸か、我が家はみんな大丈夫のようだ。
そんなことで、今日も定休日なので山に行ってきた。
目的は「ナラタケ」だったんだが、こいつはさっぱり駄目、仕方ないんで、今が盛りの「スギヒラタケ(スギモタセ)」を沢山採ってきた。
昔から一般的な食用キノコとして食され、味は淡泊で歯ごたえが良いし、みそ汁やけんちん汁の具にすれば簡単で美味しいから重宝だ。
「毒キノコ?」とまでは認定されないようだが、兎に角食べない方が良いんだろうね。危険だから (絶対に真似しないでくださいよ!)
しかし最近は、こんな事が多いね?キノコではないんだが、ハーブの一種で「コンフリー」という植物がある。
こいつも、4年くらい前のNHKニュースで突然報じられたことがあった。
これを食べて死亡事故が発生したんだね。
この「コンフリー」という植物、僕が中学生の頃には、家畜に食べさせたり、天プラ揚げて普通に食べていた。
健康食品、薬草としても昔から使用され、薬品会社でも薬材として使っていたんだよね。
牧之庵も春先の天ぷらの葉材として重宝に使っていた。
長野の戸隠方面でも、天ぷらの材料として頻繁に使っていたようだし、事実、僕が食べた有名なお蕎麦屋さんでも出されていた。
それまでは牧之庵でも使っていたから、ニュースを聞いた翌日、保健所に問い合わせた。
「昨夜のNHKのニュースでコンフリーによる死亡例が出て、輸入禁止の処置がとられるようだが、何か特別の指導、通達はありますか?」。
保健所では、知らないようだったが、取りあえず、使用しないようにとの返答だった。
それからのこと、NHKも保健所でも何の経過説明も指導もなく音沙汰なし、僕が電話しなければ特別のこともなく、普通に過ぎ去った一時のニュースだったんだろう。
そして「コンフリー」騒動は、何の沙汰もなく「使っていいのか、駄目なのか?」不明のまま今日に至っている。
死亡事故が発生した重大な事実、全く今回の「キノコの死亡事故」に似ている。
おそらく今回のこの騒動も、黙って過ぎれば時間の経過と共に偶発的な出来事として結論を見ずして終わってしまうような気がしてならない。
早急に結論付けて、事の真相を解明して報告願いたいもんだ。
以前の「カイワレダイコン」の様な誤報ミス、多かれ少なかれキノコ産業には、経済的なキノコショックがあったには相違なかろうに。
ところで「ナラタケ」はこんな状態だった。
牧之庵の屋敷周りにも「シメジ」、「ナラタケモドキ」が僅かながら出て、けんちん汁にしていただいた。
世の中、異常気象の影響か怪事件が突発的に現れる。
勿論「コンフリー」は、牧之庵から消えたが、あのニュースだけの情報、見なかった人は依然として供したり、食したりもしているんだろうに。