初めて行者ニンニクなるものを知ったのは、今から二十数年前頃だったと記憶する。
小生が、まだ現役でお勤めしていた頃。そこは、我が在所、越後との県境、信州「秋山郷」だ。
あるご縁で、秋山郷の仕事(当時、設業界に勤しむ蕎麦屋の親爺は、営業でこの地の仕事を受注)をすることになった。
あの僻地(失礼だが、当時は率直に僻地と思ってた)で、事もあろうに(これも、かなり失礼、言い捨てゴメン)、長い間のお付き合いが始まったのだ。
道路を作り、橋も作り、河川の工事、下水工事等々も頂き、思えば大変なご縁ができていた。
それまでの「秋山郷」は、平家の落人の地、紅葉が素晴らしい地、くらいにしか認識がなかった場所だった。
そんなことで、この地を知ってから徐々にハマってしまっていたんだね。
この「行者ニンニク」なるものも、この地「秋山郷」で初めてお目に掛かった。
秋山郷の中心部(屋敷・上の原)にラーメン屋さんがあったんだけど、そこで「行者ニンニクラーメン」なる、奇妙なものを食べたんだ。
こいつ、結構なお値段でね。
なんか、あの女優の竹下景子さんも訪れて食べた様なんだ。
正直言って、当時は珍しいだけで、どれほど美味しいって記憶はないんだが?
それで、行者ニンニクを知ったもんだから、今度は目に付くんだね。
ちょっと山の畑を車中から眺めると、畑にいっぱい栽培してるんだよね。
直ぐ、牧之庵の前に館を構える弟だが、彼も秋山郷に専属で何年も通ってね。
山野草が好きなもんだから、行者ニンニクも地元の人から頂いて、自宅の庭で随分と繁殖させているよ。
牧之庵の常連さん(埼玉は花園近辺)なんか、勝手知ったるで、春先の最盛期になると勝手に「これ、天ぷらにして」って摘んでくるんだ。
そうそう、最近のブログのコメントに「牧之庵の行者ニンニクは、俺が植えたんだ!」なんて、ほざいてたっけ。
でもね〜、そいつはホントだから仕方ないんだけどね。
さて、表題の「昔々、その昔の奇妙なご縁」ってなんじゃろか?、じゃが。
まずね、秋山郷って場所は、我が「牧之庵」って名称と無関係じゃないんじゃね。
「牧之庵」って店舗名は、ご当地塩沢が生んだ江戸時代の文人「鈴木牧之」から命名したんだけど、その牧之が「秋山紀行」って題名の紀行本を書いてるんだね。
そんなんで秋山郷に行って、「鈴木牧之」って言ったら、知らない人はいないくらいで、もしかして、この本家本元より浸透してるんじゃなかろうかね。
初めて秋山郷で知った「行者ニンニク」。
鈴木牧之に絡んだ、秋山紀行、のよさの里(牧之の宿)など、牧之庵とネーミングだけは「奇妙なご縁」である。
そんなこんなで、埼玉の常連さんがスーパーから苗を買ってきて、牧之庵の花壇に植えた(写真左上)ものが2年目(植えて2年だから、買ってきた苗は4.5年経ったんだね)にして種子ができたって訳よ(それで、ブログのコメントで騒いでるって事?)。
ご縁って続くもんなんだね。
まず、それで種子を初めて取ったでしょう。
ところが?
つい2日ほど前のことなんだ。
我が集落の出来事じゃがね。
実は、配りもの(今年は倅が区の班長なもんだから)をしていたら、ある同じ班内のお母さんがね「行者ニンニクの種を貰ったんだが、いらないかね?」だってさ。
うひゃ〜! 偶然って偶然って奇妙だね〜! ご縁じゃね〜!
かくして「行者ニンニク」なるもの。
さすがは行者。
今度は村の人から、種子を貰った。
なんたること。偶然も、ここまで重なると「奇妙なご縁」じゃね〜!!!