お使いに行った筈のババの帰りが馬鹿に遅い?さてはまた、孫のところに立ち寄ったな。
遅くなっての言い訳「イヤ〜○○には参ったねぇ〜。交番でとんでもない無駄足を踏んじゃった」
なんでも、一年坊主の孫等が三人で遊んでいて、百円硬貨を一枚拾ったんだそうだ。
日頃、家庭や学校で「落とし物を拾ったら、交番に届けるんだよ」と、言われているもんだから、得意気に交番に三人で駆け込んだようだ。
交番の前まで行ったババが、見慣れた自転車を発見したらしいんだね。
一瞬、何かあったんじゃないか!と、慌てて交番に駆け込んだそうだ。
駐在さんが「ああ、お孫さんの身内の方ですか?ちょうど良いところに来て下さった。実は今、落とし物を届けてもらったんですが、小さなお子さんですから、保護者の方に連絡しなくてはいけないと思っていたところです」
百円玉一つと、汚れた手袋などと一緒に届けたらしい。
ババが「あの〜、百円くらいなら、届け主が現れないでしょうから、もういいでしょう?」って、言ったらしいんだが、駐在さんは「イヤ〜、百円といえども、大事な財産ですから」と、拾い主の手続きをしたらしい。
家の孫が代表して、いつもの大きな字で名前を書いたんだとか。
「特別連絡はしませんが、何ヶ月たったら、本庁の方に確認のため出向いて見て下さい」とのことだったそうな。
イヤハヤ、とんだハプニングに巻き込まれたババ、孫等のしたことは、金銭の多少に関わらず、良いことには違いないが、まさか本気で本庁まで出向けるわけも無し、槌より柄の方が重くなる。
「ウウ〜ン、君たちはホントに良いことをしたね。お利口さんだよ」駐在所では誉めたババだが、とんだところで驚かされて、とんだ道草喰ってしまった。
帰宅して、遅くなっての言い訳が、本気の愚痴に変わっていたね。
世の中、良い悪いは別として、類似する案件が幾つもあるね。ましてチビッコの躾や教育上、臨機応変なんて大人の俗世は通用せず。
おそらく駐在さんもババと同じで、職務柄、善意を反故にもできずに苦笑いってとこだろうて。
されど、孫のしたことが嬉しくて、ニンマリ微笑むジジも居たり。