お盆月を前に、蕎麦を盛る簀の子作りの用意をしていたが、雑用に追われてそのままになっていた。
ここに来て、すっかり平常時(暇になったってこと)に戻り、夜用のそば打ちの時間が要らなくなった。
兼ねてから、損傷の激しい簀の子が気掛かりだったので、ちょっとずつ更新を始めたんだね。
こういう小物や、陶器の補修、蕎麦を盛る膳などの補修は、大概はゴールデンウェークや、お盆、秋の行楽シーズンに入る前に済ませたいが、それはそれで他の雑用も多くて大変なんだね。
事前にホームセンターから、ヨシで編んだスダレ(ヨシズ)を買ってきて、いつでも作れるように定寸法に切断して置いたんだ。
牧之庵の蕎麦容器は、昔から家にあった古いお膳の活用だから、それに合った「簀の子」を探すのは難しいんだね。開業当初は、大きめの竹簀の子を揃えて、盛り器に切り合わせて使っていたんだけど、更新もなかなか大変だった。
ある時、別の用途でヨシズを使ってから、使い勝手と作り易さを発見したんだね。安価で簡単にサイズを合わせて作り替えられるので、以来定着したんだね。
ホームセンターからヨシズを買ってくるときに、編み紐の間隔と、ヨシズの材料の太さをよく見て選ぶんだよ。あちらもんが多いから、物によって極端に材料が悪かったり、編み方が粗雑だったりするんだね。また、編み紐の間隔も不揃えだから、合わせる器の寸法を予め測っておいて、なるべく多く、スッポリと収まるように厳選するんだよ。
これだって、季節物だから、年中あるとは限らない。いっぱい店頭に並ぶ夏場に、まとめて買いだめして置くんだよ。
此奴はもう駄目だなって、思ったやつは、その都度取り替える。いつでも取り替えられるように、常に補充用品を作って置くんだよ。
ヨシズは各々の寸法に切って置く 簀の子の両サイドに付ける割竹 サイドの割竹を取り付ける
編み糸が乱れ、更新の廃棄簀の子 それぞれの器に合わせて簀の子もセット
手作りってやつは、見た目は恰好良いし、お客さんの受けは最高なんだが、もの凄く手間が掛かるんだよ。