この時期としては珍しく貴重な小春日和、とでも言えるほどの温暖な一日だった。落葉樹は、冬に備えて殆どが葉っぱを落とし、山肌は茶褐色に模様替えをした。
雪降り前の貴重な日和、これからの雪国では、冬将軍がいつ訪れても可笑しくない時期にきている。
一日一日が儲け天気、それでも頑張って持ち堪える奴もいる。
☆コマユミ(嫁のかんざし)
葉っぱが濃緑の秋に真っ赤な実を付けるが、晩秋から初冬に掛けて葉っぱが真っ赤に染まる。マユミの3分の一にも満たない小さな真っ赤な実を、垂れ下がるようにして付ける。
実の持ちが良くて、この時期でも、こうして実を落とさず持ち堪えている頑張りやさんだ。
マユミ(真弓)や、ニシキギ(錦木)と同じ仲間のニシキギ科、実はニシキギと殆ど変わらないが、枝がニシキギとは違って、コルク状のギザギザを持たない。
小さい頃から「嫁のかんざし」と教えられてきた。花嫁のかんざしの様に綺麗だから、そう言われて来たんだろうか?
やがて葉っぱはすべて落ちるが、かんざしは雪の中でも暫く残る。真っ白な雪とのコントラストも、これまた綺麗だ。
☆カマツカ(鎌柄)
10日ほど前に、村の友人からゴッソリと太枝を頂いて、店頭の瓶に生けて(生けると言うより、立て掛けて)置いた(以前のブログでも紹介)。それまでは、少し水を注いだ中に入れておいたが、数日前から完全に水を切って、半ドライ状にした。
葉っぱが落ちて、実は見事に真っ赤に染まった。
もう暫くは、この状態で持ち堪えるだろうね。
雪が降り込んで、餌が無くなると野鳩や野鳥の餌食になり、一粒残さず喰え散らかす。ちなみに、この実もちょっと酸っぱいが食べられるそうじゃからね。
☆ヤブコウジ(藪柑子)
日本庭園の地被類、鉢の添え物としては欠かせない存在。秋に赤く熟し、冬の間も実を残して、寄せ植えにして正月飾りにも人気がある。
木陰を好み、地下茎で繁殖し群生する。常緑小低木(10〜20センチ)だから、落ち葉の掃除で竹箒やクマデの先に引っ掛かり、落ちやすい実は地表に散らばり、半分以上は掃除の被害に被る。