越冬して春が深まり、いろんな植物が芽吹いて新緑が眩しい季節になると、牧之庵の庭先の彼方此方にマタタビの稚木が現れる。
小鳥たちが、取り残しの熟した実を食べ、種子を散らかして発芽したものだが、その成長たるや、あまりの旺盛力に驚かされるよ。
ちょっと雑草の処理に手を拒めると、あっと言う間に蔓を伸ばし、所構わず絡まってくるんだね。
こんなに不味い実(人によって好き嫌いが両極端)はあるまいに、先人たちはよくもまあ口にしたものだと、まか不思議なもんだよ。
インターネットで検索すれば、あれよあれよと件数がありすぎて戸惑うほど、名前の由来、食しての効能、生態等々。
そんな受け売りは止しとするが、不思議な現象が1つあるんだ。
それは葉っぱが白くなることだけど、こりゃ不思議だね。
芽吹きの頃は、まったく変わりない普通の葉っぱだが、6月に入って花が咲く頃になると、気付かないうちに白くなってるんだ。
諸説では、花が咲いても葉っぱの陰に隠れるから、訪花昆虫を誘うためのモーションだとか?保護色じゃなくて、誘導色とは、これまた不思議なやっちゃね。
葉っぱに白ペンキをぶっかけた様だけど、裏を返すと変わりなく緑色なんじゃね。どんなカラクリ、変化だか不思議だが、葉緑素はしっかりあるんだね。
普通に光合成はしてるんかね?
まあ、どっちでもいいけど、不思議な奴だ。
どっちこっち、店で使うほど採れないから、効能を信じて酒の肴に一粒いただくべか。
今年の夏は長そうで、厳しい暑さになりそうだから「又旅」で。