☆今年の胡桃は諦めた
今年はクルミの落果が早いんだね。
定休日の茶前(朝食前)の話しなんじゃが、先般の豪雨の被害偵察を兼ねて、いつもクルミ拾いに行っている場所に行ってみたんだが、そりゃ〜酷い光景だったよ。
クルミの木は疎か、ガッサリと地山が滑り落ちて原形を留めていないんだね。現場に立って唖然とする。
現地では、滑り落ちて沢を塞いだ土砂や流木を、緊急に重機で片付け、取りあえずの仮設水路を作っていたが、クルミ拾いなんかしている場合じゃないと即時悟り、暫し呆然として眺めながら、事の重大さを再認識させられて帰宅した。
いつもは、三ヶ所ほどのクルミを拾う場所を探してあるんだが、その一ヶ所は途中の道路が決壊して場所すらも行けず、もう二ヶ所も辛うじて行けたが、其所も土石流で根こそぎ流され痕跡もない悲惨な有様だった。
そんなわけで、今年のクルミは諦めた。幸いにも、去年は使い切れないほどの量を確保したから、来年までは充分だと思うんだけどね。
それに、今後は使う量も期待できないだろうから、まあ〜心配なかろうて。そんなことより、あの決壊した場所の復旧には、相当の困難が待ち受ける。この台風時期と重なって二次災害が心配だ。
日本列島、各地で自然災害が頻繁に起こっている。一時の猶予も許されない。まさに災害との死闘、真剣勝負、政の真価が問われる。
☆そばつゆの「かえし」作り&容器の補修
山に行ってきた後、朝食を食べてから、終日厨房に入りっぱなしだった。
残り少なくなった「かえし」作りの予定を立てていた。
通常、年に2回のかえしを作るが、その減り具合で、概ねそれまでのお客さんの状態を把握できる。
今年は開業以来9年だが、過去最悪の状況だ。東日本大震災以降、お客さんの足は極端に落ち込んで、かえしの在庫も通常よりも多く残っている。
そんなわけで、いつもより作る量を減らしたんだ。
まあ、負け惜しみじゃないんだが、牧之庵のジジババもそれなりに歳を重ねて、体力的に無理の利かない領域に入ってきているんで、ちょうど良い案配なんじゃがね。
本気出して稼いでいる、これからの方には、そりゃ〜大変な(死活的)問題じゃよ、ホントに。
かえしを作っている間(火に掛けている間)の暇な時間は、そばを盛る容器の補修をする。
木製の本物の器は、木釘が抜けたり朽ちたり、接着剤の劣化等で接合部が離れたり、塗料が剥げ落ちたりで損傷が著しい。
離れた部分は接着剤で接合し、朽ちて欠損した部分は補修材で修復してから、見合った塗料でお色直し、結構手間を要するんだね。
親爺は忙しいが、こうした作業の組み合わせで効率よく作業が出来る。
陶器類も同様にして、破損した器は陶器用の接着剤で破片を接合する。細かく砕けて接着不可能な部分には、専用のパテで補修してから、色合わせをした塗料を塗って完成させる。
最近は、補修材も多種多様、かなり高品質の材料がでて来たので、原形に近い復元ができると、それなりに楽しいもんだ。