☆アサツキ(浅つ葱)
この辺では、アサズキという。
本来は「アサツキ」だそうで、「浅つ葱」と書くが、葱(き)とは、文字通りネギのことなんだ。
山野に、ごく普通に自生し、牧之庵では店を始める前までは畑での栽培はなかった。なかったと言うより、アサズキやニラの類は、主役じゃなくて脇役として畑のまわりに植えられていて、思い付いたとき必要に応じて使っていたんだね。
屋敷周りに植えておくと、ビックリするほど増殖する。
2〜3年、植えっぱなしで放置しておくと、年数と共に上部の葱部分は細くなり、地下の球根は小さくなるが、株だけは大きく広がって増える。
昔から、この周辺ではネギ部分を使う習慣は少なく、どちらかというと球根部分を好んで食べてきたようだ。
滋養があると言われ、球根の皮を剥いて味噌をつけ、酒の肴に、ソーメンの薬味としても重宝がられる。
収穫したては、薬味皿に1.2個付けるが、好きな人のために籠に入れてテーブルに置く。3日ほど前、お昼の営業を終えてから、半分を収穫した。あんまり熱いので、暫し晩酌まで待てず?アサツキと、好物のスルメの足でウーロン割りをキュ〜〜ンとね、ピリ辛のアサズキが何気?を誘うねえ〜。「お父さん!それまでにしときなさい。仕事があるんだから」、酷だね〜これっきりじゃ・・・・・トホホ、イカの足がもう1本在るんだけどなあ。
最近は、他の嗜好に押されて、若い年代層には殆ど存在感はなくなってきた。
牧之庵を始める前までは、畑のまわりに自生している物を、必要に応じて使っていたが、蕎麦屋を始めてからは、畑で本格的に栽培してきた。
畑でしっかり栽培して、葉っぱ(地上のネギの部分)を太く柔らかくして薬味として使い、球根は適度な大きさに粒を揃えて、薬味に添える。
葱は雪消えと共に成長して、春先から5月から6月上旬ころまで使う。球根を植えっぱなしにしておくと、秋口にもう一度収穫できる。
牧之庵では、葉っぱ(葱)を使うものと、種用の球根を取る物とを分けて栽培している。交互に栽培することによって、適度な成長と、繁殖を調整しているんだね。
種球用は、葉っぱを切らずにそのまま大きくしてから、葉っぱが枯れる5月下旬頃に掘り取って作業所にぶら下げておく。
種の植え付けは、お盆が終わって涼しくなった頃(8月下旬から9月にかけて)に行う。
とは、能書きだけで、一昨年から雑用に追われて植えっぱなし、球根が小さくなってきたので、先日、全部を掘り起こして植え替えの準備をすることにしたんだ。
アサツキの花