牧之庵の店内は、昔住居に使っていた古い板戸、土蔵の戸、民具、家具、道具等が再利用して蘇っている。インテリアとしてそのまま飾ってあるもの、別の用途に使われているもの、よく見ると店内随所に見あたります。あれも、これも、自分たちが幼少の頃、実家で日常的に使われていたもの、自分も使ったもの、見かけたもの、それぞれに、それぞれの思い出をたどって、しばし昔の懐かしい時代を覗いてみてください。喧噪から離れて懐かしい世界にどうぞ。まずは玄関からどうぞ。↓
暖簾をくぐって外玄関に吊してあるもの↑。これは「板、板木−はん、はんぎ、ばんぎ」と言って、村の公民館(集会所)等で使われたもので、集会などの合図に小槌で打って、集合を促す道具でした。これは当集落で実際に使っていたものなのです。さて、ここで天井を仰ぐと電灯のカバーに変な物がぶら下がっています↓。
はて?これは何でしょう↑。僕が小学生の頃に使っていたコタツの木枠です。格子枠の面が上になって、これに布団を掛けて暖を取ったのです。畳のコーナーを利用し、床板に下枠がはめ込まれるように穴を開け、炭を入れるんです。この枠を「コタツやぐら」と言っていました。囲炉裏と並んで寒さを凌ぐ雪国の必需品でした。次いで、左側に目をやると、変てこりんなガラクタが置かれてあります。昔の民具です(写真省略)
孫の愛斗の後ろが「くぐり戸↑」と呼ばれる間口の狭い昔の玄関戸。2枚戸になっていて、内に障子戸、外に板戸になっていて、実際は全体が外に開く仕組みになっていました。大きな荷物の出し入れ、冠婚葬祭等には一面開かれるんです。そこを潜って内玄関です↓。
↑内玄関です。正面の上がりコマチに踏み石用の石臼が置いてあります↑。いらっしゃいませ、どうぞ中にお入り下さい。右が靴入れ(下駄箱)になっています。その上が、ちょっとした飾り棚↓になってます。
これは機織り(はたおり)の糸巻き用具です。右の円形の丸い筒(中田屋と書いてある)は紙製の糸巻き。正確な業界用語はわかりませんが、紙製で和紙を幾重にも重ね、柿渋を塗った物だそうです。牧之庵はこの「(有)中田屋織物」とは親戚です。左側の木枠も糸巻き用具です。牧之庵の開業に当たり、いろんな物を頂きました。店内にはそれらを使って、いろんな物に利用しています。今日はここ迄で失礼さん。明日以降、店内にご案内いたします。