くぐり戸を潜って足を踏み入れると、石臼の踏み石が目に入ることでしょう。ようこそいらっしゃいました。お帰りなさい、お疲れ様。玄関をあがって正面がばばの生け花のコーナー、皆さんの趣味のコーナー、お帳場があります(とっても狭いです)。生け花の背面に唐箕(とうみ)、といって穀物を風の力で選別する農具が置いてあります。右側に正方形にくり抜いた穴が見えますが、そこに手回し式の取っ手が付いていて、回すと中の風車が連動して回ります。上から穀物を落とし、風力により、軽い未熟した物、屑物は飛ばされ、重い成熟した物は特殊な装置で一定の口から出てくる仕掛けになっています。稲籾、大豆や小豆、そば等もこれで選別します。
右下の丸い容器は、1斗枡です。昔はお米を重量でなくて、容積で量っていました。1斗は10升、水だと18リットルでしょうか?4斗で1俵(60㎏)です。↑
お越しいただいたばかりですが厠(かわや−お手洗い)にどうぞ。右側の廊下の突き当たりです。↓
狭いトイレですが、この戸は昔の鶏小屋に利用していた物です。親戚から処分しようとした物を頂いて、きれいに磨いて塗装した物です。建具屋さんに一部補修してもらいましたが、結構様になっているでしょう?
客間へは玄関をおあがりになって廊下を左側にどうぞ。幅6尺(1.8m)の広い廊下です。
トイレから出て客間方向を見た写真です。廊下の天井にぶら下がっている照明器具はトイレの中を含め、すべてが機織物の糸巻きを利用した物です。
厠(かわや)前の照明器具
これは、客間の廊下の照明器具
突き当たりの壁に額に入った何かが見えるでしょうか?昭和6年初期頃に使った薬袋です。
越中、富山の薬です 富山は射水の薬屋さん
風邪薬、熱冷まし、虫下し、熊の胃(腹痛、胃の薬)、婦人薬の実母散、僕が生まれるもっともっと前の薬です。でも、幼少の頃にお世話になった薬もあるようです。
容易には先に行けません。今日は廊下までのご案内で済みません。今宵はこれにて失礼さん。じゃまた、明日ご案内いたします。