そば屋のそばつゆは、そばそのものより原価が掛かるんです。
専門的な話は別にして、牧之庵の「そばつゆ」についてお話します。
大別すると三工程を経て造りあげます。
①まず「かえし」というものを作ります。濃い口醤油に砂糖、みりんを加えて中火で沸騰寸前まで炊き込みます。アクを取り除いて容器に詰め、約6ヵ月間土蔵の中で寝かせます。じっくり自然の涼暗所で寝かす事によって、醤油の角が取れ加えた甘味料が調和して、 香、味、色合いとも、まろやかな「かえし」が醸成されます。
②次は「だし」を作ります。
適量の水から厳選された昆布でだしをとり、次いで良質な厚削り節を中火で炊き、アクをきれいに取りながら数十分。琥珀色の「だし」がとれます。節の種類、品質によって、出来具合は大きく変わります。煮込む火力、時間の程度によっても色、味、香も違ってくるんです。
③上記で作った「だし」の中に「かえし」と「日本酒」を適量混入し冷やします。小口容器に移し、冷蔵庫に保存し、用途に応じ小出し使用します。
☆この記事は4月9日に書いた物です。パソコンの誤作動で削除してしまいましたが、携帯電話で送信した記事だったので、メールの送信BOXに保存されていました。再送信した記事です。写真は随分ボケていますが、牧之庵の土蔵の中で醸成中の「かえし」です。間もなく、今年の暮れから、来年度用のかえしを作る時期です。近日中に造る予定でいます。