☆うどん
牧之庵の開業当初は、うどんは考えていなかったんだね。
実際に、開業数日前まで一回も試し打ちなんかしなかったんだ。そばの事が精一杯で、とても、とても、うどんのことなんか頭中になかったよ。
本命のそばでさえも満足に決まらなくてね、そりゃ〜焦ったよ。
メニューには「うどん」って書いちゃったし、今更開店日に取り消しもできないし、ホント、焦ったよ。
でもね、打ってみると案外簡単に打ち上がったんだね。もっとも、うどん屋さんに言わせれば「こんなもんが、うどんかよ、よくもまあ、お客さんに出せるよ」程度の物だったと思うんだね。
打ち上がりが良い悪いは別にしても打つことだけは簡単に打てたって事。
世の中おもしろいもんで、と言うか皮肉なもんで、そんなうどんに結構、人気があるみたいなんだね。
正直言って、そば好きのお客さんが圧倒的に多いんだが、中には、うどんしか召し上がらない(そばが嫌いでもないんだが)人がおられたり、家族全員がうどんだったり、クチコミでうどん屋と勘違いなされて来られたりでね。
今じゃ、うどんも両肩並べて牧之庵の大事な存在なんだね。
でも今まで、うどんに関してはブログに登場する機会が与えられなかった?
別に軽視しているわけじゃないんだが親爺自身の頭の中に躊躇する部分があったらしい?
それはそうよ、そばも満足に型が定まらないクセにうどんなんかチャンチャラ可笑しい。
でもね、ド素人でも7年打てば、もう良いでしょう?
うどんも、そばも、親爺の我流だけど、我流も此所まで来れば「定まった我流」だって、思えるようになってきてよ。
だから、今度は、うどんにも少しずつ出番を作ってあげようかと思ってね。
うどんは、そばとは違う手順があるんだよね。
そこで今日は、こね鉢や、踏み、寝かしの手順を飛んで、伸しの我流のみをご紹介(途中で思いついて、この手順しか写真に収めず)
のし台の手順
足で踏みつけた生地は、ビニールにくるんで寝かせて(熟成)置きます。
そばと違うところは、打って直ぐ伸せないんだね。グルテンって奴が、強い粘りと弾力を出して、ガムの様に縮まるんだよ。
だから、ちょっと(最近の粉は、材料が改良されて、以前ほどの長時間の熟成は不要になった)、1時間ほど(元来の粉は、3時間〜半日)寝かせて置いてから「伸し」に入ります。
地粉は最低3時間(夏場)以上、今の時期は、半日くらい寝かせた方が、伸しが容易だろうね。
1)丸出し
足で踏んで、充分に熟成(寝かした)した生地は、のし台で押し広げます。
ここまでは、そばと同じ作業です。
満遍なく、手のひらで可能な限り押し広げます。丸く、平らに、薄く。この手順が重要なんですね。
大凡の形が整ったら、めん棒で更に、丸く、薄く伸します。
この作業は、そばの「丸出し」と同じですね。
この作業で、丁寧に仕上げておけば、次の「四つだし」の時に、やりやすくなるんですよ。
2)四つだし
さてこの作業から、本格的な伸しに入ります。
今度は、前作業で広げた生地を、今度は、麺棒に巻いて、のし台で転がす事によって角を出します。
この作業は、そばと同じです。感覚は、繰り返しの作業から会得でしょうね。
3)たたみ
この作業は、そばとは違う。麺棒に巻かった状態で、屏風のように交互にたたむのだが、上部になる程、僅かながら幅を狭めてたたむ。
一回の打ち量によって、たたみ上げた量(長さ)が異なるので、一応に説明できないが、僕の場合は、たたみ上げて直ぐには切りに入らない。
たたみ終えたら、冷蔵庫に生地を寝かす。
なんで寝かすのか?っていうとね、再度、冷やす事によって、グルテンの活性化を促すんだね。
それにね、切り角が立つんだね。まあ見て下されや。
手順が前後しちゃったけど、改めて綴りましょうか、我流「定まった我流」の手ほどきを?
今日は、11月22日(語呂合わせで11(いい)、22(ふうふ)の日とか、良い夫婦してますか?
24節気の「小雪(しょうせつ)」だね。師走も直ぐそこまで来た。