年間を通して、この時期の牧之庵は最も暇な時期だが、更に今年は未曾有の不況と相まって、例に漏れず閑散状態。
それでも今年に入って、テレビや雑誌で紹介された影響もあってか、良くはないが、悪くもない程度に営業させていただいている。
今回はテレビの紹介で「そば御膳」に集中しているようなんだね。
「そば御膳」は、おそばに、おにぎりが付いたセット物だから、集中的に片寄ると、そばが余って、ご飯が足りなくなるんだよ。
人間の心理、欲求って、周囲の現象に大きく左右されやすいようで、お隣さんの食べているものを欲するんだね「済みません。あれと同じ物下さい」って、案配なんじゃね。
だから、一番客のオーダーの仕方によって、その日のメニューが大きく影響してくるんだ。
ちなみに、この日は「そば御膳デー」、用意したご飯は早々に底を突き、炊き直して、代わりに蕎麦は余ってしまった。
はてして、ご機嫌斜めなるは、そば屋の親爺よ。
そば屋なのに、ご飯がよう出て、そばが余るって現象に納得いかぬ状態よ。
食い物屋が、こんな事言っちゃ失礼極まりないが、まあ〜ここだけの話よ。
このそば御膳、回転が悪いんじゃ。手間が掛かるんじゃよ、ご飯もんはね〜。