過去のブログで未紹介の作品を主に載せてみました。興味ある方は昨日のブログ上で、2011年9月7.8.9日の三日分をクリックしてご覧下され。
杉野シズさんが昭和の雪国の暮らしぶりを創作人形の世界から表現しています。
実に表情豊かでリアルに表現していますよ。制作者のお人柄ですかね〜。
今回の展示会場「みつけ伝承館」 人形創作者「杉野 シズ」さんのプロフェール
今回も礼儀正しい上品なお婆ちゃんがお迎えしてくれてますよ。 ああ婆さんや、気を付けて行ってきなせや。
婆さんは織った機(反物)を風呂敷に包んで町の織り元(機屋さん) に届け、織り賃を貰って帰りにはお土産を買い込んで帰ってきた。
作品に触れて、何を感ずるかは人それぞれ、お婆ちゃんが背負った風呂敷包み、物語は無限に広がり、そこから壮大なロマンが始まる。
夢を大きく包んだ風呂敷、作者の思いはそこにあり。
はてさて、今日はどこん家に貰い湯(当時は毎晩はお風呂のお湯を沸かさないので、お隣さんでお風呂に入れて貰う)に行くべかのう、爺さんは手拭いだけを持って、近所でお風呂を使ってる家を訪ねた。
「ここんしょ、今日は風呂たったかない?貰い湯にきたすけ入れてくんねかの」(写真左上)。
腰にぶら下げた手拭いで、お風呂に結びつけるのは少し無理があるかもね? 手拭いを肩に掛けたらお風呂のイメージかも知れないけどね。
まあ、ご覧になった人それぞれのこれまで生きてきた人生観、昭和の人形から感ずる思いも人それぞれなんじゃろて。
雪国の雪掘り(除雪)スタイル。かんじき(雪にぬからない様に長靴の下に履いて、雪を踏み固める道具)を肩にかけ、こしき(木板で作った除雪の道具)を持って、はて?屋根の雪下ろしでもするのかいな(写真右上)。
着古しのセーターをほぐして再生して利用する。息子の小さくなったセーター、糸を手繰って毛玉を巻くお母さん。
あの頃は、毛糸は貴重な素材、再利用して使っていた(写真左上)。
せなこうじ(重い荷物を背負う時に、加重が背中に掛かって痛くなるのを防ぐため、少しでも軽減するように、稲ワラや裂き布などで編んで作ったチョッキ状の背当)をつけて、背負い籠(肥籠・こいかご)を背負い、田畑に堆肥などを背負って運んだ。
重労働の農作業の一つだった(写真右上)。
上の二枚の写真だが、左は今回の展示作品、右上は平成23年に長岡市の蓬平での作品。
同じ大人5人の囲炉裏を囲んでの風景だが、人形の配置の仕方によって表現するストーリーは一緒でも、そこから発する想像の世界は異なる膨らみをもつ。
タイトルは「ぬいご差し 火箸にからめヤニを取る」、二会場とも同じテーマだが、見ている人の立場によって、老若男女、生きてきた時代背景、感性の相違等々から、大きく変化するものかも知れない。
それだけに面白いし奥が深い、正に高度成長を支えて懸命に生きてきた人々、昭和の歴史を具現している。