これまで三回にわたって「杉野シズさん」の人形展について御紹介してきた。
その素晴らしさは御紹介してきた通りである。
そして今回は、人形展が行われている「竹山館」について少し御紹介しましょうか。
中越地震で壊滅的な被害を被ったが、越後人の強靱な精神で再び起ち上がった「蓬平温泉」、震災当時は全国ネットで大々的に報じられたが、今や完全に復興して、その痕跡は微塵も感じられない。
その強靱な精神は、その後の被災地の励みにもなり、復興モデル地域として期待され注目されている。
その蓬平温泉を通り過ぎて、はてさてこの先に、はたして人家があるんだろうか?、と半信半疑に山道を進むと、なんと小洒落た地名「竹之高地町」に着く。
地名からして町が付くから、それなりの場所なんじゃろうと想像して行くが、到着してビックリ!なんと、そこは数十軒の山間の集落、開祖は落人らしいんだね。
まあ、集落の歴史はさておいて、集落にはいると、左手前方に場所には似付かぬ洋風の建物が直ぐ目に付く。
その館が「ギャラリー竹山館」である。
外観からは完全な洋風の建築かな?、と想像するが、ところがどうして、中にお邪魔すると完全な和の建築、それも半端じゃなくダイナミックな材料を使って、拘りの中で遊んでいる。
玄関を入って直ぐに圧倒されるのが、ギャラリーの中心部から4階の吹き抜けまで伸びる大きな柱、柱って言うより正に大木だ!。
幅が60センチ以上もある超大木、なんでも御神木だったという。それにしろ、どのようにして運んで、建てたのか?。外部の道路を伺うに、大型クレーンが横付けになるわけでなし、トレーラーが入れる幅もなし。
少しばかり建築にも関わった者として、不思議な現実である。
先般の地震で、開祖住居であった古民家が震災で壊れ、その部材も随所に使われている。その使い方がまた面白い。
キャラリーとして2階部分までは完成しているようだが、その上(3,4階)の部分は未完成のようだ。
ギャラリーのオーナーは、手広い実業家で、芸術家でもある。館内に氏を含む画家の作品が、沢山展示されている。
木の節、曲線美の回廊、大小の曲がった柱、再生古材の組み合わせ、軸組の構成、展示用に利用される大きな一枚板のテーブル、どこもかしこもオーナーの遊び心、館体その物が立派なアートである。
従って、未完成の館ではないんだね〜。展示されてる作品と一体になって、館も作品として製作されるんだよ。おもろいね〜、興味津々、少しの時間をおいて、またお邪魔するよ、必ずね〜。