痒い痒い!例年この時期になると、手の両腕の内側に汗疹がびっしりとできる。
半袖で作業してるから、蕎麦を茹でるときに沸騰した茹で釜の蒸気を否応にも受けるからだ。
今年も、昨日からの猛暑でやっぱりできてしまった。
厨房は、半端でなく暑い、蒸し風呂状態なのだ。
それでなくとも暑いこの時期、火を使っての商売だから最高に心地よし?
常時、天ぷらのフライヤー、蕎麦の茹で釜、うどんの茹で鍋が、これぞとばかりに煮えたぎる。
親爺の作業位置は、厨房の片端、北側の窓を開けての作業だから、網戸越しに入り込む風が否応なしに熱気を吹き付ける。
噴き出る汗、茹で釜の湯気、ああ、なんていう心地良さよ!吹き出た汗疹に汗と湯気とで最高!
昨夜の蒸し暑さは半端じゃなかった。
深夜までムンムン、家外も日中の熱気を浴びて大地が熱々に焼けている。
外も中も変わりない。
それでも、牧之庵の周囲には、四方に水が流れていて涼しい方なんだが、吹く風も、熱気を帯びて生暖かい。
昼夜変わりなく蒸されては、さすがの夏男も参っちゃう!
*またまた寄り集まった素材
☆南天の枝?
先日、柿渋の先生からお呼びが掛かった。
何でも、南天の枝があるので、要り用なら来てみないか?との事。仕事を終えて早速駆けつけた。
この奥さんは、相当の好き者で、何でも素材を生かして楽しんでおられる。
「南天の枝」?半信半疑で伺った。
行ってみると、なんとまあ〜!
枯れかけた南天の枝を、きれいに水洗いして束ねてあった。
「あんたも、奥さんも感性が多彩だから、この枝を何かに使ってみたら?生け花の素材でも、衝立でも?あんたなら、何かひらめくでしょう」だって?
玄関には、先日僕が差し上げた、アケビ蔓で作った丸くボール状に編み上げた物が飾られていた。
例によって、柿渋を4回も重ね塗りしたんだとか。
籠の中には、いろいろと細工が施され、さすが先生!センス良くアレンジされていた。
伺えば、まだ未完成で、後数回は柿渋を塗り重ねるんだとか。
ウヘエ〜!そこまで塗らなくとも?と思ったが、あの色合いは、そこまで飽きずに辛抱強く塗ってこそでるもんなんだな〜。
脱帽、そして納得でした。
さて、この「南天の枝」、一体何に使おうか?
正に感性が試されているようだ?
☆廃品の中から
牧之庵が一風変わってる所為か?
婿どんも影響を受けさせられたのか?
最近、職業柄もあって古い物を選んでは探し持ってくる。
地元の建設業で建築関係の仕事に従事している。
以前にも数回、古民家の解体時に発生する古い建具、古民具、小道具等の廃品を持ってきた。
最近は、品定めに磨きが掛かってきたようで、面白い物を漁って来るようになった。
牧之庵の玄関に飾ってある「機糸括り機」、茶の間に置いてある戸棚(ボード)もその一例。
さて、今回は長岡よりも先の、分水という所からの改築工事に伴う廃品らしいが、面白い物が混じっている。
これらの諸々の廃品、何れも奇麗に洗濯をして、場合によっては補修したり、薄化粧で品位を高め、清潔感を保ち、日常使える物に仕上げる。
しかし、これがまた大変な作業、僅かの時間を見付けては、再生している。
今回の、このボードだが、素材は桐材で良い仕事がされている。
先生に倣って、柿渋で仕上げてみようか?もう一点は、古い「レコードプレーヤー」、なかなか面白い。
実際に動くのかは未確認だが?さながら古物屋みたいだが、さり気なく店頭に置けそうな物を選んで手入れする。
古物商じゃないんだから、遮二無二に並べ立てると窮屈になり、バランスが損なわれる。
もうそろっと限界に達してきた。
蕎麦屋がガラクタ小屋に変貌しちゃいそうだ。
接合部も丁寧に、金釘は一切使用されておらず、すべてが木釘。