昨日の大寒は余所に、この豪雪地塩沢は、2ヶ月も前倒しの「凍み渡り」、「しんばいこんばい」ができた。
「凍み渡り」とは、降り積もった雪の上が凍って、人が渡って(歩いて)も、足が抜刈り込まずに、一面を歩き回れることを言う。
通常は、春先(3月下旬頃)に見られる雪面の凍結現象だが、今年は、極寒のこの時期に、2ヶ月も早く現れた。
暖を取らない家の中より、家外の方が温暖でポカポカ陽気だった。
陽光が明るくて、まるで、3月下旬の陽気、別世界にいるような錯覚をおぼえる。
この、雪面凍結現象は、雪面が降雨により水分を吸収して、夜間の冷え込みによって凍結する事により発生する現象だが、数日前の降雨によって、水分を充分に吸収していたのだ。
今年の温暖気候は、大寒のこの時期に雨を降らした。極めて希な現象だ。
60年も生きてきたが、記憶が正確ならば、初めての出来事だろう。
学童の頃は、「凍み渡り」で登校したものだ。
雪の平原が凍みてしまうので、どこを飛び回っても抜かることなく、最短距離で登校できたのだ。
農家では、これを利用して、田圃にソリを引いて堆肥を運んだものだ。
運び置く箇所にスコップで四角に雪穴を掘って、その中に運び込む。
自由自在に行動できるから「凍み渡り」を利用しての利雪、農家の知恵だったんだね。
去年の豪雪と今年の暖冬、地球規模の異常気象は、目先の我が周辺にも現れる。