秩父高原牧場の天空のポピーなる物を堪能して、はてさてこの先はどう回るべか。
チョットゆっくり回ったから、巡路を変えて遠い寺から回ることにし、札所34番(水潜寺)へと向かう。
※札所34番 水潜寺(すいせんじ)
秩父札所の34番は、百観音の大悲を一寺に集め御利益を得たいとの願いにより、西国・板東・秩父、各々三十三ヶ所(併せて九十九ヶ所)に水潜寺(すいせんじ)が加わり「日本百観音」の結願寺となった。
そもそも、観音信仰は「三十三」に磐余があり、観音経に説かれる観音菩薩が衆生を救うとき、33の姿に変化する信仰に由来し、その
功徳を得るために33の霊場を巡拝することによって、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し、極楽往生できるとされる。
百観音巡礼を終えた人達の金剛杖、菅笠、千羽鶴などが満願のお札とともに供えられる。
御朱印
参道入り口右手に「日本百観音結願所」と標される石柱、左手参道沿えには三十三観音の石仏がずらりと並ぶ
観音堂 大きな流れ向拝をつけた六間四面の方形造り
観音堂の崖下に水くぐり(水潜り)と呼ばれる岩屋がある。その昔は、巡礼を終えた人達が胎内潜りをして身を清めた。
観音堂脇に湧く長命水、岩屋の中から湧き出ている。水潜寺(すいせんじ)という名前の由来でもある。
※札所33番 菊水寺(きくすいじ)
綺麗に掃除の行き届いた参道を進むと、正面に「正大悲閣」の額を掲げた威風堂々の入母屋造りの本堂が見えてくる。
堂内、向拝の内部は土間になっている。庭に「菊水の井」という名井があったことから寺名になったとか。
※札所32番 法性寺(ほうしょうじ)
岩盤地形を上手に利用して配された寺である。秩父札所唯一の堂々とした二層の山門、上階は鐘楼になっており大きな梵鐘が見える。
石段を上がると本堂があり、その前を通り岩を削った石段を登ると岩壁から張り出したように舞台造りの観音堂に着く。
参道の途中には、圧巻の巨岩が覆い被さるように点在し、自然岩を削って造った石段は苔生して「秩父の苔寺」と呼ばれる。
「鐘桜門」上階に梵鐘が見える。「般若山」の額が掲げられている。
本堂の前を通って観音堂へ、見える山肌は全て岩! 巨岩の合間の石段を登ると途中に巨岩がゴロゴロと目前に現れしは観音堂の基礎部分
江戸中期の建造といわれし舞台造りの観音堂、背面は岩、岩、岩、参拝を終えて本堂で御朱印を頂くババ様
※札所31番 観音院(かんのんいん)
それにしろ、秩父って所は岩場が多い!それもその筈、武甲山の尾根上の採石場を見れば一目瞭然じゃよ。
19番の龍石寺、20番の岩之上堂、28番橋立堂、32番法性寺、してこの観音院。
何でも良いけど選りに選って、こんな岩場の高いところに寺なんか建てたんかいな?凡人には理解しがたい不思議な世界。
標高700mの観音山の中腹にあるが、300段近い石段を登り切ると、背面から覆い被さる様な屏風岩に納まって観音堂が建つ。
不思議なことに、その断崖絶壁から水が滴り落ちるんだから?
丁度この時期は山道のサイドに秋海棠(シュウカイドウ)が花盛り、また巡礼者や吟行会の句碑が数多くあり、長い石段を忘れさせてくれる。
御朱印
幹線道路が山道入り口、山門の直ぐ近くまで通じている。「山門(仁王門)」両脇の仁王像は高さ4m、石造りとしては日本最大だそうな。↑
296段の石段を登り切ると↑
右手前方に梵鐘に辿り着く↑
その奥背面に覆い被さる様な岩壁の下に観音堂が納まっている↑。
どうでも良いけど、単純な疑問? どうしてこんな高いところに、あの重たい梵鐘を運んできたんだろうか?半端な目方じゃなかろうに?
これまた、我ら凡人には理解しがたい世界じゃのう〜?
※そして突然現れた番外の地蔵寺
札所31番に行く途中にある水子供養の地蔵寺。
道路を挟んで左右にある水子地蔵にはビックリ!
なんじゃあれ! 途中に現れた不思議な世界? 思わず車を止めて奇妙な風景を見入っていた。
帰りにもう一度確認するって事で先ずは札所に向かった。
ちっちゃな棚田のような場所に、無数(なんか1万4千余体もあるという)の小さなお地蔵さん、真っ赤なアブテをして風車と造花が各々に備えられていた。
見上げれば、あんなところまでも!見学気分で写真を撮ったり大声で話すことも躊躇う、寺院や仏閣とは違う神聖な世界。
お地蔵さんとはいっても水子供養の墓地。静かに手を合わせて帰ってきた。(合掌)