もう半月も前のこと。例の柿渋の先生が、古布の端切れと一緒に、面白い大きな実が付いた植物を採ってきてくれたんだね。去年の秋にも、南天の枯れ木を頂いたんだ。
普通では、思いも付かない奇品珍品に目を留め、装飾の材料に使うらしい?
駐車場の南側に、目隠し屏を兼ねて大八車の収納庫がある。その一角に大きな瓶が置いてあるんだね。友人から貰った物なんだけど、大きすぎて玄関には置ききれないから此所に置いたんだよ。
前に頂いた南天の枝は、その瓶に飾ってある。
さて、その面白い実なんだが、何処に飾ったら良いもんかとババが思案して、結局この瓶に飾ることにしたんだね。以前、何処かで見た記憶はあるが、何の実やら、とんと見当が付かなかったんだね。
数日前に、興味をお持ちのお客さんに聞かれたが、僕達も直接見るのは初めての物、お答えできなかったんよ。
それから暫くして、例によって玄関先に生ける材料を求めて山に行ってきたんだね。偶然にも、ちょっと木陰の斜面に、何処かでお目に掛かった様な奇妙な物が遠目から見えたんだ。近付いてみると、同じものだった。
20本ほど切り取って持ち帰ったんだよ。早速、ババが飾ったんだよ。
はてさて、これだけ飾ったからには、名前も知らずでは様にならない。インターネットで検索するも、なかなか見つからなかったんだね。
ツルボの実に似ているが、そんなのこの辺に自生する筈がない?一体何なんだ?思い当たる用語を変えて検索したが、まったく該当する物が見つからない。困ったな〜、まてよ?実で見つからないんなら、花で調べるか?こんなに直立する背高ノッポは、そうざらにある訳じゃない。それらしき形相から、逆に花から探っていく。
分かったね!結果「コバイケイソウ(小梅惠草)」と判明したよ。
序でに詳細に調べてから、今度は知った振りして答えられる。ちなみに此奴は、有毒植物だってこともね。