雪こそ降らなかったが、雨が降ったり止んだりの寒々しい連休だったね。
いろんな事が重なって、天気もお客さんの入りも、いまいちパットしなかったよ。
寒くなった所為もあるが、世の中、想像以上に不況のようだ。
いやだね〜、ガソリンの値下がりで多少の好転を期待したが、それ以上に不景気風が強いようだから。
実を言うと昨夜はね、臨時休業を頂戴したんだよ。
ババの実家の長岡から義兄夫婦が遊びに来てね、ちょっと外食だったんだ。
野菜貰いに伺ったときに、ババが誘っていたんだよ。
いつもお世話になりっぱなしだったから、珠には家の方にも誘って、一杯やろうって事でね。
ホントはね、定休日を一日潰して、ゆっくりと寛ぎたかったけど、いまの時期はお互いに何かと雑用が溜まっているんだね。
昨日は、夫婦にとって特別の日だったようだから、ちょっと遠いけどお出掛け頂いたってわけよ。
兼ねてからババが、一度は連れて行きたいお店があってね。此所はババのお気に入りのお店でね、僕は2回目なんだけど、ババは何回となくお邪魔しているんだね。
以前一度、ブログでもご紹介したことのある「欅苑」というお食事処なんだね。我が家から車で20分ほどの場所なんだが5時からの予約を入れておいたんだね。
生憎小雨が降っていた。沿道の駐車場に車を止めて、敷地内の玉砂利が敷かれた木戸道を100メートルも歩く。中間で直角に右折して数メートル、今度は直角に左折すると大きな茅葺きのお屋敷に真っ直ぐに導かれる。要所に目線ほどの高さの照明が設けられていて、そこに施されたは雪囲いが、否応にも期待感を高ぶらせる。
暗闇の中で広大な敷地を進むと、目前に巨木がそそり立ち、途轍もなく大きな屋根を被った館が現れる。
そう、この巨木が「大家の大けやき」なのだ。「大家」とは屋号だそうで、その昔は、この辺一帯の大地主(庄屋)だった。
推定樹齢1500年というから驚きだ!堂々たる茅葺き屋根と、大けやきが一帯となって、どちらも引けを取らない。相応して昔の栄華を垣間見る。
玄関の潜り戸(くぐりど)を開けて中に足を踏み込めば、俗に言う「にわ」、何畳あるんだろうか?
もの凄い広さ、一角で岩魚が炭火で焼かれている。
今回、案内されたお部屋は、一般農家では「座敷(もしくは奥座敷)」、書院が設けられていたから奥座敷かも?
明治初期に建てられたというから、ざっと140年?欅の柱や梁に歴史が刻まれている。
古い建具も隙間ひとつなく、材料の良さと、匠の技が忍ばれる。
義兄夫婦も庄屋館に驚き、すっかりご満悦。良かった、喜んで貰えて案内した価値が充分あったね。
おっつきに抹茶が供された。さり気なく、お手元脇に添えられた蕾の付いたサザンカの一枝、おもてなしの細かな気配りが見て取れる。
女衆はビール、我等は数ある越後銘酒の中から、銘柄を指定してお燗でお願いして食事が始まった。
料理は、女将さんお手製の郷土料理、どの一品も上品で、丹誠込めて作られた田舎料理、往時を偲んで舌鼓、知らず知らずに杯も重なり、最後に栗ご飯と味噌汁、お新香を頂いて、あっと言う間に3時間が過ぎた。
お客さんの今宵の宿は、友人から借りて準備しておいた、近くのリゾートマンション、我等夫婦も案内がてら、温泉に浸かって四方山話、暫し花が咲きすぎて、今朝は眠かったよ。
よかった、よかった、喜んで貰えて。
臨時休業で、ご迷惑をお掛けしたお客様には、どうぞ我等に免じて御勘弁を。
欅苑 URL:http://www.keyakien.com/
初めての欅苑:http://d.hatena.ne.jp/bokusian/20060810