夕焼けではないんですよ。
辛うじて雪を頂いたスキー場のナイター照明の明かりなんですね。
スキー場では、年末年始の掻き入れ時期、闇夜に明々と照明が点き十時過ぎまで照らされます。
未曾有の不景気で、来年も明るい兆しは見えないが、丑がゆったりと交代の準備を整えて構える。
良くも悪しきも今年を総括して、新年に向けて展望を探る。
これ程、行く先の材料の乏しい年は経験がないし、極端に落ち込んだ経済はバブル崩壊の時より深刻に感ずる。
想えば一回り前(12年前)のこの時期、バブル崩壊の不況下で会社勤務、泡まみれの中にいた。
勤務していた職種に陰りが見え、仕事に意欲が薄れ始めた頃だった。
年齢50歳の頃、想えば、定年を10年残して脂がのりきった時代でもあった。
経済は相変わらずの乱気流、会社の業績は低空飛行、増すは責任の重みのみ。
心身ともに疲れ果て、情熱と意欲をなくした中年管理職、投げだそうと思った事は一度もないが、「我が人生ってなんだろうか?このまま意欲喪失で続けても、会社も自分も利なし」。
12年前(平成9年)のあの頃から、4年後(13年)に希望退職を願い出た。それも、一年前にトップに事前通告して、迷惑を最小限に抑えるためだった。
熟慮に熟慮を重ねての事、我が人生で最大の決断「苦労してもいい、最後くらいは好きなことに費やす時間を作ろう」「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。
1年の準備期間を経て、翌14年の夏にオープン、あれから7年半が過ぎようとしている。明けて夏には8歳になる。
想えば、開業時は不況のど真ん中、やがて中越地震、中越沖地震のダブルパンチ、やれやれと、ひと腰伸せば世界恐慌、デフレ経済、よくもまあ、こうも厭きずに起こるもんじゃよ。
でもね〜、人生ってこの繰り返しよ。
お陰さんで、何とか細々と暮らせてきた。
お客さんとの楽しい、嬉しい出合いがいっぱいできた。お友達も沢山できた。
この先、あと何年そばが打てるのかは、自分でも分からない。
そばが打てなくなるまで、お客さんが来て下さる間は、少しでも細くなが〜く(いや、適当な長さで)、楽しませていただくつもりだよ。
不景気なんて何じゃない、デフレなんて真っ向勝負じゃ、歳は重ねたが経験も重ねた、些少のことではくたばらないよ。
そうじゃね、あれから一回り、よ〜う不況時代が続いたもんじゃ。
寅、「千里往って千里還る」「我が子を千仞(せんじん)の谷に落とす」「虎穴に入らずんば虎児を得ず」等々、纏わる諺は多い。
一見、凶暴に思われるが、なかなかどうして、その行動は計画的で、甘やかしでなく真の愛情で生存競争に打ち勝つ虎児を育てる。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」じゃが今の世は、危険があまりにも多すぎるが?
いや〜、迷走したね〜。ナイター照明がとんだところまで写しだした。