「ようこそ三国街道塩沢宿へ」
2月18日から始まった「ひな雪見かざり」も、当地の月遅れの慣習で4月3日を以て終わりとなる。
東日本大震災から1年、被災地では、まだ多くの行方不明者がおられ、悲しみと苦しみの日々が続いている。
そんな中で、特別の思いを込めて開催された「ひな雪見かざり」だったが、歯痒いほど進まぬ復旧、復興を見るにつけ、この国の政の失態、不手際に苛立ちを禁じ得ない。
がれきの処理を巡っては、受け入れ先の消極姿勢を見るにつけ、変貌しつつある国民性に行く末を案じ、曾て誇れた大和民族の「相互扶助」、「絆」精神に陰りが見えてきた。
こんな時にこそ見えてくる本音と本質。
「物は満たせても、心は空っぽ」、見掛けだけの豊かさよりも、曾て貧しかった幼少時代が妙に懐かしい。
外孫が通知表(おいらの頃は通信簿と言ってたっけな)を貰って見せに来た。子供の頃からの習慣で、我が家に入るなり、まず真っ先に仏壇に供えてお参りをしてから、ジジやババに見せる。
この春、もう一人の一年坊主が誕生する。今日が幼稚園最後の卒園式だそうだ。
これで三人の孫が小学生となる。最年長は5年生、次いで4年生、そして新1年坊主だ。
一番下のチビも、この春から幼稚園児、それぞれに一つ上に上がる。
孫等の学校、幼稚園にも、東北の被災地から避難して来られた子供等が一緒に学んでいたそうだ。この転校先で卒業式を迎え、進級した子供等の殆どが再び異郷地で学ぶことになるそうな。
「ひな飾り」に子供等の健やかな成長を願い、この先幸せになれますようにと祈る親心。複雑な思いを秘めて、飾るは「混成節句かざり」也。
桃も端午も合い混じって、この時期は唯、何事もなく子供等が健やかに成長します様にと祈願するのみ。
不安定な世界情勢、難問山積の日本列島。
政治不信に経済不況、少子高齢化、産業の空洞化、大気汚染と地球温暖化、膨らみ続けるお国の借金、原子力や放射能のこと、電気や資源のこと、地震や自然災害、拾い出せば山ほどの不安材料。
俺たちロートルは、この先どれ程の時間もないが子供や孫達の行く末は一体どうなるんだろう?
バブルが弾けてこの方、急転直下で転げ落ちた日本経済、米国病に追い打ちを喰らいデフレとやらにも苛まれた。
阪神淡路、中越、中越沖、東日本大震災と地震、地震、大津波、挙げ句の果てに原発事故、休む間もなく新潟福島水害、今度は豪雪とくる。