「春に三日の晴れ無し」とは、よく言ったもんで、正に今年の気候は、その最たるもんだね。
確かに、それなりの雪は降ったにせよ、ここ魚沼の通常から考えれば特別の事もない。
しかし、今年は気温が上がらないんだね。
だから、雪解けが遅く、草木の芽吹きが極端に遅れてきた。
漸く、一昨日あたりから桜の蕾が赤味を増して、走りが咲き出したが、今日の冷たい雨で、また躊躇っているんだね。
今日も、しっかりガードを固めているみたいなんだ。無理からぬ、何たって外気は寒いもんね。
それでも、やつらは確実に季節を察して、遅いながらも感受してるんだ。
遅いながらも庭先では、リュウキンカが茎を伸ばし、先っぽに花芽もつけ始めたし、ワサビの花も、可憐な白い花を咲かせた。
何れにしても、この地の春はブナの芽吹きから始まり、尾根に色付く、新緑の色付きの度合いから「おお、そろっとゼンマイが出始めたな?」と、山菜の時期も判断してきたんだね。
かくして、その色付きだが?いまだ何の兆候もなし。
これでは、コゴミやゼンマイは疎か、遅い蕗の薹の天下ぞや。
そんなこんなで、その遅きの蕗の薹を求めて、山菜の遅い山に待ちあび、出掛ける奴もいるって事よ。
何じゃない!雪消えの遅い場所では、蕗の薹が盛りじゃった。
時期が時期故に、折角お越し頂いたお客さんに、自然の節物を感じていただきたい。
気短の親爺は、目安の山菜が連休に間に合うのかと、この遅い春にヤキモキしつつも、急場凌ぎで蕗の薹を求めて再度お山を駆け巡る。
でも此奴、採ってはきたが、そう簡単じゃないんだよ。綺麗に水で洗って、ゴミを取り除き、花の部分のボンボンを切り取って、天ぷら用と、フキ味噌用に用途分けするんじゃね。
フキ味噌用は、熱湯で茹でて冷水に晒して、量が多いときには水切りをしてフリーザーバックに詰めて冷凍保存。
天ぷら用は、当座使用はバックに入れて冷蔵保存、来春用はサッと茹でて冷凍保存なんじゃ。
水洗いしながら花を取り除き、用途別に分ける これは天ぷら用(程良い大きさで形の揃ったもの)