とうとう師走に入ってしまった。この時期まで来ると、殆どの落葉樹が葉っぱを落とし冬籠もりにはいるが、低木のドウダンツツジとコマユミは、折角の葉化粧を少しでも長く保とうと頑張っている。
中でもコマユミは破格で、この寒空の下で未だ紅葉を続けている。不思議な奴だ。
枝がしなやかで雪折れの心配がないから、雪囲いの必要もなく手間が掛からない。
雪が降っても、暫くの間は真っ赤な実と葉っぱを付けているから、一際鮮やかに存在を誇示する。
遅いコマユミの色付き、七変化の紅葉だ
間もなくすると、真っ白に積もった初雪の上に、ポタポタと赤い斑点が現れる。線香花火は終わりになると火玉を作って落下するが、コマユミの実も形状がそれに似ている。
全てが落ちて枝だけになった頃には、この雪国では本格的な冬の到来だ。牧之庵も休眠状態、冬眠に入る。