今シーズのGWには、幾種類もの山菜が間に合った。
牧之庵では、連休直前になって「山菜の天ぷら」五種類盛り合わせが突然登場したよ。今年が初めての試みなんだね。
春の限定メニューだが、この連休中は、「フキノトウ」、「コゴメ(コゴミ)」、「行者ニンニク」、「ウドの葉っぱ」、「コシアブラ」、「ユキザサ」
などを適当に盛り合わせて提供しているんだね。
GWの中休み(5月2日)、営業を終えから信州栄村に「アブラコゴメ(イッポンワラビ)」を求めて行ってきた。
下見は検証済み、適期を見越しての山菜取り、目指すは唯一種類で「アブラコゴメ(イッポンワラビ)」のみ。
あったあった、いっぱい出てる(写真上↑)。
ところがだ、行く最中の車中に電話が入った。
家からだった。「夕方、5時半過ぎに予約が入ったから早めに帰宅するように」とのことだった。
いっぱい出てるけど、時間がない!
取りあえず、急いで取って急いで帰宅した。往復100キロの走行距離、実質1時間も満たない取り時間。
それでも、GW中は充分間に合う収獲だったよ。
本格的に始まる明日(3日)からのGWに備えて、夜の営業を終えての蕎麦打ちが始まった。
打ち終わったら、収獲してきた「アブラコゴメ(イッポンワラビ)」の処理。
水洗いをして茹で上げたら、時間は翌日になっていた(写真上↑)。
お店のお通しは「アブラコゴメ(イッポンワラビ)」をさっと茹でてマヨネーズと辣油、お醤油を掛けてお出しする。
また、この辺では「木の芽」(写真下↓)と呼んでいるアケビの新芽の茹でた物にカツオ節をふり、お醤油を掛け、ウズラの卵を添えてお出しすることもある。
巷では、山椒の若葉を「木の芽」と呼んでいるようなんだね。
特有の渋み、アクの強い新芽だが、酒(日本酒)の肴には食い慣れた逸品だ。
此奴を食べるのは、どうもこの近辺に限られるようなんだね。
信州では、知ってる限り殆ど食さないし、越後でも魚沼地方に限られているようなんだ。
面白いもんだね、それぞれに地方の食習慣。
よく考えてみれば、こんなに苦くて採るに手間の掛かる山菜なんか、どうして食べるの?
そう思うのが普通なんだが、そこがどうして解せない世界なんじゃが、ここら辺じゃ、山菜の王様なんじゃよ。
一本一本、細い新芽を手で摘んで、もうそりゃ〜、気の短いおいらなんかに、とてもとても摘めるもんじゃないんだよ。
ババは、木の芽摘みが好きなんだが、今シーズンは一度も山には行ってないんじゃ。
あれこれ忙しくて、時間がとれないんだね。
だから今回紹介の木の芽は、よそ様からの頂き物、今シーズンの初物「木の芽」なんだね。
フキノトウ、コゴメと始まる春物山菜の取り時期は、徐々にワラビ、タケノコ(ネマガリダケ)などの初夏の山菜に移行する。
それにね、4月28日に「雪笹(ユキザサ)」は、GW明けに登場するって書いたけど、実は此奴も間に合ったんだね(写真下↓)。