幼少の頃は、何処の小川にも見られた黄色の花をつけるリュウキンカ。
小川はコンクリート製品で整備され、今は、全くと言っていいほど見ることが出来なくなった。
それでも、昔からの整備されない池の縁に、たまに見ることが出来る。
我が家は、数十年前に燐家のお婆ちゃんからいただいて、家の周りの池の縁、流れの縁に所狭しと増殖した。
元来、繁殖力旺盛な野草で立金花と書き、茎が立って、金色の花をつけることからこの名前がついたそうだ。
後に図鑑で知ったのだが有毒植物だそうだ。
子供の頃は空洞になっている茎を口にくわえて水の中に息を吹き込むと「ボコボコ」と水泡が出るので、「ぼこぼこ」と呼んでいた。
有毒だったとは知る術もない時代の事だ。
近年は圃場整備によって、自然の小川が姿を消し、清水も湧水処理によってなくなった。
用水に流れ来る水も、昔とは比較できないほどに汚れ、そこに住む、動植物の自然生態もすっかり変わってしまった。
メダカも沢ガニもドジョウやタニシ、水草の類まで姿を変えた。
利便性のみ追求し、失われた物もいっぱいある。
回想すら出来ない程に、現物が姿を変えてしまった。
兎追いし彼の山、小鮒釣りし彼の川は、今の子供らには別世界の姿。
童謡も消えた。
何か、一抹の寂しさを憶える。