懐かしい趣のある民具に囲まれて、里山の現住民家でもてなす純手打ちそば「初めてなのに、何故かなつかしい」
これは牧之庵のキャッチコピーになってます。
店もぼろっちいが、親爺の頭も禿げているがもう古い、それに併せて使い用具もできる限り古い物を使っている。良い物なんかはいらない、あの頃、日常一般的に使っていた生活用具、民具等。忙しい現世、新しき物は次々に出回り、古き物は失われてきた。田舎の風景、故郷の思い出の物、場所、幼い頃に生家で使っていたあの頃の物、田舎のお婆ちゃん、お爺ちゃん家で見かけたあの当時の物。懐かしい思い出の数々。
一時でも、昔を回顧して、暫し心の休息と癒しのひとときを・・・・・・・。
昔の古いお膳です。
中央の濃茶の膳は「三俣膳」みつまたぜん、と言います。国道17号を上り、群馬県境の三俣地域で作られていました。三国街道の宿場町、奥深い山村僻地の職人達の手で一つ一つ丁寧に作り上げられました。日常のお客様の膳として使われたものです。祝い膳や、かしこまった席には使われません。客層、客席からみれば、一段ランクの落ちる膳でしょうか?裏側に「請合 三俣村 関六右ヱ門」と墨印が打たれています。身元保証、品質保証です。牧之庵では「そば膳」用に使っています。左右の朱色、濃緑の膳は二の膳です。牧之庵ではこれらの膳にそばを盛る為「膳盛り」と呼んでいます。こんな言い方、他であるでしょうか?私には覚えがありません。
食器棚です。昔の古い皿は薬味やお新香、小鉢用に使います。大きな鉢は「ぶっかけそば」用のどんぶりとして使っています。最近は使われず、土蔵の中に眠ってあった物、骨董屋さんから補充した物、お客さんや友人からいただいた物、それぞれに歴史がびっしり詰まった往時を忍ぶ大切な品々なのです。
大きな鉢は「ぶっかけ用」丸平皿は「天ぷら用」平皿は「鰊、お新香等々用」に使われます。丁寧に扱っているつもりですが陶器ですから使っているうちに傷も付けます。欠けていては失礼なので、古い物は補修して使います。白く補修材で修理した物は牧之庵の歴史と共に増えていくでしょう。食器洗い機は使っていません。すべてが手洗いです。補修マークは親爺の努力の賜です?