数日前に、ちょっとばかり山村に住む従兄弟が山ウドを持ってきたくれたんだね。
今年の春、永年勤めていた会社を定年退職して、今は農業に専従しているそうだ。山村にしては田圃もいっぱい持っていて、分家を出す前までは、旧塩沢町一番の大作農家だったんだね。
彼に以前から言われていたんだが、土蔵の中に大きな「コタツやぐら」があるから、持ってきて何かに利用できないか、との親切心。雑用に追われて、つい忘れていたんだが、今日も促された。
そんならばと、営業を終えてから早速行ってきたんだよ。
車で20分くらいの所なんだが、着いたら彼が待っていてくれた。
即刻、土蔵の中に入って、その「コタツやぐら」なる物を拝見。
確かに大きい! こいつは、囲炉裏に被して使うつもりで作ったらしいが、真新しい物が二つ有った。その一つだけを貰ってきた。
そうそう、そもそも「炬燵櫓(コタツヤグラ)」なる物から御説明しましょうかね。
ず〜っと前のブログでも説明した記憶があるんだが、文字通りコタツの木枠なんだね。
これは普通のヤグラとは違って、囲炉裏を利用してコタツに利用するために、枠が大きくできている。
☆参照(以前のブログより)http://d.hatena.ne.jp/bokusian/20060605
牧之庵の開業当初にも、この従兄弟の家から様々な古民具等を貰ってきて利用しているが、その昔、通常に使われていたのが下のタイプの小さなヤグラなんだね(これも従兄弟から貰ってきて利用している)。
牧之庵では、このヤグラの上にガラスを乗せて、テーブルの脇置きにして、メニューやテッシュケース等を置き、中に雑誌を入れているんだね。
大勢の団体さんや、行楽シーズン等には、テーブルの配置替えによって、この小さなヤグラを4個合わせて、4人用のテーブルとして利用することも希にあるんだね。
さてと、今回頂いてきた大きな「コタツやぐら」だが、一体何に使うって?
そうだね〜?やっぱり、テーブルがいいね〜。4個合わせて使う分、1個で賄えるからね。
こいつに、またガラスを乗っけて、枠には柿渋を塗って、4人様用って事でどうじゃろう?
まあ、親爺の楽しみが、また一つ出来たって事でね。
他に、何かないかな?人様の土蔵の中を、勝手気ままに物色する。
骨董屋じゃないから、値もんの物は触れない。
牧之庵で使えそうな物だけ、従兄弟に了解を得ながら物色するんじゃよ。
おや?こいつは使えそうだ!三俣膳(これも以前紹介済みだが)、一箱ビッシリ入ってる。う〜ん10膳以上は入ってるな。
箱ごと外に持ち出した。して、中の膳を一つ一つ取り出すと、何じゃ〜?5膳目からは別の膳が・・・・・・トホホ。残りは立派な漆塗りの膳、こんなの店では使えない。何たって、管理が難しく、手間が掛かり、面白くも何ともない。4膳だけを取りだして、残りは再び土蔵の中に。
「おい!一箱ん〜な持ってってくんねか」、「いや〜、後はいらんすけ、だいじに仕舞っておけや」
ご先祖様が聞きつければ、罰の当たる勝手な会話、昔は冠婚葬祭に活躍したであろう漆器類たち、これだけの前腕を揃えておける民家は、昔はそうザラには無かっただろうがに、失礼だがおいらにゃ使えこなせない。
はてして4個の三俣膳、翌日から店で大活躍よ。
おや?こいつもいらんじゃろう?昔の「あんか」、寒い冬、布団に入れてホッカホカ、懐かしいのう〜!
あとは?う〜ん?「フルイ」があった。外枠は藁で編み込んでる。古い「フルイ」じゃね(親爺ギャル)さぶ〜。
して、今回物色したもんは(金目のもんは持ってこんがよ。親切が仇になるからよ)、コタツヤグラに、あんか、三俣膳4個、古いフルイ、の4点なりよ。
そのうち変身して、店のどこかに出没するかもね?