葛「くず」・秋の七草
先日、餅屋さんの絵手紙をご紹介しました。
でも、一枚だけ手元に置いて、ご紹介しませんでした。
それは、葛(くず)だったからです。後日に別途紹介したかったからです。
葛(くず)は、萩(はぎ)、薄(すすき)、桔梗(ききょう)、藤袴(ふじばかま)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)と共に「秋の七草」と呼ばれます。
河内餅屋さんの絵手紙「葛」の花
葛は、山や平地の比較的日当たりの良い所で自然に見られます。
平地にも蔓延るし、樹木や塀、電柱などにも絡みついています。
マメ科の植物らしく、葉っぱも花もエンゲン豆に似ています。
藤の花の様に房が垂れ下がって咲くんじゃないんですね。上を向いて咲くんです。
見た感じ、楽そうじゃないんですよね?これがまた、昔からいろいろと利用価値があるんですね。
葉も、花も、茎も、根も、すべてがいろんな形で利用されてきました。
僕らの子供の頃は、風邪に効くといって「葛湯(クズユ)」を飲まされたものです。
葉っぱは、家畜の餌に採ってきました。
茎(ツル)は、この時期の刈り取った稲束を掛けて乾燥する為の「はざ木」と呼ばれる細丸太を結束する材料に使いました。
今僕が悪戯している「ツル細工」にも、このツルも使います。
葛のつるで編んだものです(中央と左下)
特に、根からは葛粉(クズコ)と呼ばれる良質な澱粉がとられるんですね。「吉野葛」は昔から有名ですね。
ちょっと調べてみました。僕の幼い頃の記憶と一緒にまとめてみます。
△花 絞り汁や煎じた物は薬用(二日酔いに効く).乾燥した物は葛花(カッカ)といって薬用(二日酔いの薬).つぼみは料理に、花は酢の物、天ぷら等の食用に使われます。
△葉 血液の浄化作用(健康飲料)・新芽や若葉は和え物、油炒め.昔は家畜の飼料に利用されていました。
△茎(蔓) つる細工、民芸品.昔は縄よりも強いので結束材料として使用。
△根 良質な澱粉が取れる・風邪薬「葛根(カッコン」、漢方薬「葛根湯」.葛粉(クズコ)、吉野葛・葛粉を使って「葛菓子、羊羹、くずもち、くずあめ、くずきり、葛湯等々」に利用されます。