1月10日は父親の17回忌だった。前日に菩提寺にお願いして「塔婆」を作っていただくようにお願いして当日の朝に戴きにあがった。
さて肝心のお布施は如何ほど包んでいったらいいんだろうか?思案に困って、菩提寺に電話して聞くことにした。世が世だから失礼な事ではないんだろう?そう思って聞いたところ「そう言うことは如何ほどとは申し上げられません。お気持ちで結構です」との返答だった。そうはいっても相場ってもんがあるんだろうに?
思案のあげく同じ菩提寺の長老にお知恵を借りた。「ああ、幾々らでいいよ」と教えて貰ったが、余りにも少額、結局は自分で判断して少し多めに包んだ。牧之庵のそばを添えていただいてきた。
時期が時期なので墓地には納められないので、命日に仏壇の前に立て掛けみんなでお勤めをして雪が消えたら墓地に納めて下さい。とおかみさんから言われてきた。
仏事の世界は分からないことがいっぱいある。一般常識とは異なる世界だし、日常的に触れている世界じゃないので、その度毎に適当な対応が付いて回る。
年忌毎に建てる「塔婆」も実際のところ何の意味合いを持っているのかは知る訳はない。昔から、先人達がそうして来たから慣例に従って慣行しているだけ。
インターネットのご時世、「塔婆」と検索すれば、その道の専門家が事細かに教えてくれる。そんなことでお知恵を拝借した。知っていて損はなし。
☆塔婆(とうば)
塔婆は法事の時に建てられる薄い白木の板で作られたもので、大きさも数種類ある様だ。一般的には1.2m、1.8mとあるが、1サイズ小さな物もある。最近は中国等から輸入した物が大半だという。こんなところにまで安い物を求めて自前でないのかよ?と実に情けない世の中になった物だ。関係ないがお棺までもが・・・・・。
塔婆の表
塔婆の裏
上の写真は、先日当家で建てた物だが、よく見ると上部に異なった切り込みが入れてある。五つの部分に分かれているんだそうだ。これは五重塔や五輪塔を略した物だそうだ。参考までに下に説明書きをお借りした。
塔婆の形は、上から宝珠形、半月形、三角形、円形、正方形を表し五輪塔を簡略したものだそうだ。その切り込みの中に表には一文字ずつインドの古い言葉(梵字−ぼんじ)が書かれている。上から「キャ、カ、ラ、バ、ア」と発音し、漢字に当てはめると空、風、火、水、地で、色で表すと青、黒、赤、白、黄なんだそうな。この梵字五文字の下に一文字の梵字が入る。塔婆を建てる供養日に縁のある仏様の「種子」だそうだ。十三仏のいずれかが入るんだそうだ。その下に戒名、供養の回忌が書かれる。
裏は、点があって、一寸というような文字がある。これは梵字でバンと読むそうだ。これは、「仏の知恵の水で浄める」という意味だそうだ。
「塔婆」の起源はインドの古い言葉(梵字)のストウーパを漢字で表したものだそうだ。
仏教では、この世は、地、水、火、風、空の五種類の元素(五大)で構成されていると考え、五重塔や五輪塔(密教では、五大のことを五輪と呼ぶ)は、それを象徴的に示しているんだそうです。仏教の世界は、僕には到底理解しがたい難しい世界ですが、塔婆は薄い板に五輪塔を簡略に表している物だそうだ。各地の寺院に建立されている三重塔や五重塔、石の五輪塔は、総称して塔婆と呼ばれるんだそうだ。板塔婆は簡略化された物なんだね。
塔婆=五輪塔=宇宙=大日如来の図式で、塔婆に書かれた戒名の人が、大日如来によって救われ、故人を偲んでその冥福を祈り、塔婆を建てることにより功徳を願う事である。理解しがたい世界だが、概ねそんなところらしい?