☆恵比須講荒れ&十二講荒れ
この地方は、昔から「えびす講荒れ」と「十二講荒れ」といわれ、この天気の荒れが、冬と春の節季変わりとされてきた。
この辺の恵比須講は11月20日、十二講は3月12日だが、今日はその十二講の日。
十二講とは、牧之庵から程近い隣村で古くから3月12日に開かれる「一の宮神社農具市」。
今朝起きてビックリ、それまで雪が全くなかった牧之庵周辺に40㎝ほどの雪が降った。
昔から「十二講荒れ」が来なければ春が来ないと言われてきたが、今年の異常気象とこれまでの気候から想定して、まさかこれほどの雪が降ろうとは想像もしていなかった。
選りに選って「十二講」に的中するとは、これぞ正真正銘の「十二講荒れ」だ。
牧之庵の駐車場
予期せぬ雪に車もスッポリ雪に埋まった。
駐車場の消雪設備は10日以上も前に撤去してしまった。これほどの雪に為す術がない、雪は終日降り続く。
「十二講荒れ」も、これほど降ると真冬に後戻りだ!
近くのスキー場では、今シーズンは諦めて10日にカーニバルを済ませた所もある。
もっと早くに降ってくれたら!思い掛けない大雪にビックリ喜んでいることだろう。
これで何とか、シーズンが少し延びる恵みの雪。
☆十二講・節季市「大里一の宮神社の農具市」
朝、ビックリした大雪の中、一発の祝砲があがった。
「ああそうか、今日は一の宮だ」あまりの大雪に忘れていた。
「これぞ正真正銘の十二講だなあ」あまりの雪に手の施しようがなく、半ばさじを投げてひとりごと。
中央後方は「大里一の宮神社」
「一の宮神社の農具市」は、古くは江戸時代から続いている有名な行事だ。
雪深い山村の長い冬、その中で作ってきた農具(ナタ、鎌、鍬、ミノやスッペ等のわら細工、竹細工等々)等を出品した店が連ねる。
その昔は物々交換の様に持ち寄って始まったとされるが、最近になっていろんな物が店を出す。
露天商も多く、大型農機具も売られるようになった。
こどもの頃は、学校が終わると急いで帰宅し、お小遣いを貰って楽しみに行ったもんだ。
時代と共に農具を作る職人も減り、年々出店も少なくなってきた。
牧之庵の村にも鍛冶屋(野鍛冶)さんがある、今では農具の需要形態が変わり殆ど見られなくなったが、高齢の技を駆してこの日のために製作してこられた。
今や、市に出店されるのもこの鍛冶屋さん一軒になってしまった。
鍛冶屋さんも1軒のみになってしまった。
その1軒も我が集落の鍛冶屋さんで、牧之庵のお隣さん。
その人もご高齢で後継者はいない。そうなると、この界隈に「村の鍛冶屋さん」は完全に姿を消してしまう。
時代の成り行きとは申せ、何か寂しい。