※事の発端はハツカネズミから始まった
もう25日も前の戯れ言。「お後が宜しいようで」って感じのガスネタよ。
話は10月16日のブログの続き。ネタが乏しいから取りあえずってとこ。
☆原因究明は過去の記事貼り付けから ↓
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もう一度、簡単に説明すると、今年の新米が出来てきて毎年収納している米蔵を掃除していたらハツカネズミの糞を見つけた。
こいつはやばい!、どこから侵入したのかを突き止めようと隈無く探したんだね。
要約突き詰めたのは、蕎麦屋を開業するために取りあえず放り込んでおいた一棹の古タンスの裏側だった。
住処はそのタンスの下、通用口はタンスの真後ろに穴を開けて利用していたんだ。
ジッチャマは頭にきて、先ずはタンスを放りだして土蔵の床や下壁にトタンを貼った。
ハツカネズミは、これにて一件落着だったんだが、問題はそこから話が飛躍した「古タンス」騒動。
元来の古物(ガラクタ)好き、古傷が疼き出しての「古タンス再生」。
綺麗に水洗いして、昔の塗料を綺麗に落として、柿渋の重ね塗り(7.8回は塗り重ねた)。
数年前に何回かに分けて作り置いた沢山の柿渋、年数が経っていい案配の色合いだ。
材質は桐、傷んだ所は補修して、飾り金具も補充した。
以前から、古タンスを取り壊して、その金具はしまっておいたから、それなりに見繕って補充を終えた。
重ね塗りした柿渋がいい色合いに仕上がって、先ずは完成。
はて、何処に置こうかな? して目に入ったのが此処だった。
牧之庵の縁側の突き当たりに、蕎麦屋の開業当初から一棹の古タンスが置かれていた。
しかしこの古タンスは、当時は柿渋なる物に興味がなかったから、カラーニスで塗装仕上げしていたんだね。
それに、タンスの引き出しが壊れていて、以前から直さなくてはと思ってきたんだよ。
だから、ちょうどいい案配に出来たんで交換することにしたんだね。
そのタンスが、10月16日のブログで紹介したものなんだ。
そして、今度は交換した今までのタンスなんだが?
またまた綺麗に洗って、あのカラーニス塗料を磨き落として、柿渋塗ってお色直し(写真左上は柿渋塗りの作業中)。
これまた、今までのニスとは違って柿渋特有のなんとも言えない味のある色合いがでて、見違えるほどに仕上がった。
はてまた、今度は何処に置くべかの〜?(これも全く自己満足だけの世界だね)
あった、あった、ちょうどいい場所が。
内玄関の廊下の右側、トイレ入り口の左壁沿えに置き換えることにした。
置き換えるってことは、元々そこにもタンスがあったって事なんじゃよ(それがどうしたってこと)。
そうなんじゃよ、この場所には開業当初からじゃないが、その何年か後に一棹のタンスを置いていたんだね(ふ〜ん、そんで)。
飾り金具が少なくてあまり見た目は面白くないが、一風変わった形状をしているのでババが小物品などを入れて使っていたんだね(おもろないのは、金具じゃなくて話そのものよ)。
今度は其奴も入れ替えだ。何でもいいが、実に面倒くさい話じゃよ。
書いてる手前もバカバカしい話だが、ジッチャマは半分マジかもよ。
まあいいけど、それがこのタンスなんじゃ。(なんじゃい、こんなもんか!)
柿渋は塗ってから時間の経過とともに色合いが増して、より味わいが深くなる。昨今は稀少価値から、すこぶる高価な塗料となっているが、ジッチャマにしてみれば、どうってことない。
これまでにいっぱい作った在庫品、処理に困っていたとこだよ。
独特の渋さ、深みのある味わいは一口では評せないほどの重みがあって価値がある。
何というか、一度惚れたら見向きも出来ないほどの重みのある、渋い色合い。重ね塗りで現れるサビの世界。
筆舌出来ない特有の色合い。
化学塗料と異なる、渋柿から採取した柿渋なる自然塗料。
その年の自然環境から生まれて、同一の柿渋なる物が2つと出来ない。
だから、とてつもなく貴重な存在なんだ。
そして、驚くことに通常の塗料は時間の経過と共に品質が劣化してしまうが、この柿渋に至っては時間が経てば経つほどに、その趣が増してくるから貴重なんだ。
紹介してる写真は以前撮ったものだが、いまではもっと味わいが増して特有の渋さを醸しているよ。
これだけは言えてるだろうね。
今のご時世、何でもかんでも使い捨ての時代だが、昔の古いタンス類はホンマモンのいい材質を腕のいい職人が丹精込めて作り上げているんで、物からしたら比較にならないほど価値があるし、長持ちするよね。
一寸でも興味ある人は、こんなのが手元にあったら、物を吟味して(材質や損傷程度などを)再生したら面白いよ。
今風の洋間にも、こんな民芸調に再生した古タンスが一棹あったら素敵じゃないの。