降り続いた雪が滑り落ちて、車庫の屋根まで届いてしまった。
これくらいになると、自然に滑り落ちる雪もつかえてしまうから自然落下しなくなるんだね。
そこでジジは、溜まった雪の上部をスノーダンプで片付けて、間隙を作ってくれるんだが、毎シーズン此所が孫等の即席ゲレンデに変身するんだ。
上部の雪で緩やかなスロープを作って、チビ達がソリで遊べる様にするんだが、そりゃもう大喜びよ。
小正月には孫たちが来て斉の神をする。
そこでジジはまた、大きなかまくらを作ること(そう、牧之庵が暇だってこともあるが)にしたんだね。
これまた、例年のジジの恒例行事になっちょる。
昼間はソリ遊びをしたり、かまくらで遊んだりして思いっきり外で遊ばせるんだ。
夕方、薄暗くなって、かまくらに灯をともし、斉の神をする。
孫達には、この大雪なんか関係ない。
大きなかまくらと、高いゲレンデが出来上がって、犬コロのように元氣で遊びまわって大喜び。
久しぶりに雪も降り止んで夜は冷えてきた。斉の神で焼いたスルメは家に入って炬燵でしゃぶる。
かくして今宵は小正月。
孫等の喜ぶ姿を見たさに、些か無理をしたご老体、賑やかな孫等と小正月。
程良い燗が五臓六腑に染み渡り、酔いのまわりが早いようだ。
夜になって、外は深々と雪が降る。かまくらにも大分新雪が積もってきた。朝までには相当積もりそうだな。