台風並みの突風、家が揺すれるほど、窓ガラスが撓う。
バシ〜ン、ガラスが割れて弾け飛んだような高い音。
外に出てみると、玄関脇に一羽の野鳩が伸びていた。まだ子鳩、頭部に怪我を負って横たわっていた。
この強風の中、初めての巣立ち飛行なのか、風に煽られて窓ガラスに直撃、一撃で落下したらしい。
この状態では、おそらくは助かるまい。雪が消えて雨の当たらない木の下の茂みに、そっと置いてやった。
取りあえずは、ガムテープでガラスの飛散を防止してから、ガラス屋さんに電話した。
何しろ、半端じゃない強風、時折、もの凄い突風が来る。
無造作に仮止めしたガムテープは、強風に煽られて割れたガラスと一緒に飛ばされて締まった。
雨戸がない階段の踊り場、割れてパックリと口を開いた空洞から、強風がもろに二階の廊下に吹き込む。
待つときには、長い時間。漸くサッシュ屋さんがガラスを入れて窓をはめた。
この強風で雪山がゲッソリと消えて下がった。
それでも、まだ1メートル以上の残雪がある。田圃や畑の雪は何時頃消えるんだろうか?
切れの悪い雪、しつこい冬の寒気、いまだ毎日のように雪が舞う。
今朝も、トタン屋根に積もって滑る雪の音で目が覚めた。まだまだ、春遠からじ。
そんな中にも、一番先に春を告げるミズバショウ、氷水のような冷たい水の中で花を見せる。真っ先に春を知らせる純白の伝令者だ。
でも、この春の花は小さい。長い間の雪の重みで、些か疲れたのか?よく観察すると、花の先が傷んで茶色に変色している。
それでも、遅い春が、着実にそこまで来ている。毎春、ミズバショウが届けてくれる。几帳面で、働き者、そして可愛い奴だ。