※鯉のぼり
去年の秋、我が家に待望の男児が授かった。
これまで、ジジ、ババの間には女の子が三人、コウノトリは男の子を運んでこなかった。
外孫は4人いるが、男女それぞれ2人ずつ。
我が家には、一番下の三女夫婦が同居していて、俗に言われる「内孫」が2人。
上はこの5月で満三歳になる女の子、下にその男の子で、まもなく半年になる。
これまで、外孫を除いて男児とは無縁だった関係で、ジジ&ババにとっては「鯉のぼり」も羨望の域にあった。
幸いにも、蕎麦屋を営んでいるお陰で、これまでは小っちゃなベランダ用の鯉のぼりを、外孫とお客様用にと玄関先に掲げてきた。
要約、胸を張って大々的に揚げられると、ジジは随分前から下調べをしてきたようだ。
あれが良い、イヤこれだ!、でかいもんがいい、そんなのでかすぎだ、何処に揚げる?、あれこれと思案をしながらの下準備。
ところがだ、通常より広い牧之庵の敷地のつもりだったが、いざ竿を立てる場所を?と詮索するも、適当な場所がないんだね。
自分だけでは特定できず、隣の親爺等にも相談して要約場所が決まった。
問題は、鯉のぼりの大きさ(長さ)とポールの長さの選定だ。条件に合わせて注文した。
隣のじっちゃま曰く「おい、これまた一仕事増えるぞ。毎日の上げ下ろしは、傍目で観てるほど楽じゃねがだて」。
なるほど大変じゃ!
ポールが届いた。支柱の鞘管(外管)を埋めるために、1メートル近くも堀込んでセットしポールを建てた。
吹き流しに家紋と名前を入れるために、随分と待たされたが、要約「鯉のぼり」のセットが届けられた。
「また一つ、雑事が増えて、爺嬉し」川柳擬きの嬉しい悲鳴?
願いも一つ「どうか孫が、大空を元気に泳ぐ鯉のぼりのように、高く力強くおおらかに育って欲しい」
ちょっと待って?お門違いの長女がはしゃぐ。そりゃそうよ、主役の長男坊はケソラフン、何が何だか理解ができん、一番待っていたのは「あたちよ」なんだからね。ちょっと、吹き流しに書かれた名前、間違ってんじゃないの?
「あたちの名前が書いてないよ」だってさ。